エアコンの「冷房」と「除湿」、電気代が高いのはどっち?
暑いけれど冷房をつけるほどではない。梅雨時期でジメジメして蒸す。そんなときは冷房ではなく「除湿」がおすすめだと言います。
でも、除湿運転は電気代が高いとか。本当でしょうか? 気になる電気代について、パナソニック エアーマイスターの福田 風子さんが解説します。
「冷房」と「冷房除湿」、どっちが電気代が高い?
「冷房」と「冷房除湿」では、消費電力に大きな差はありません。そして、どちらを使う場合でも、設定温度を高くしたほうが節電になります。
ただし室内の空気を一度冷やして湿気を取り除いた後、適温に温め直す「再熱除湿」は、一般的な除湿と比べて電気代が高くなるそう。
「暑いのでまずは涼しくしたい」ときは冷房を、「暑いけれどジメジメ感も気になる」ときは冷房除湿を使うとよいとのことです。

冷房と除湿のしくみと違い
温度を優先的に下げるのが「冷房」、そして湿度を優先的に下げるのが「除湿」です。
「除湿」には、冷やされた空気がそのまま噴出される「冷房除湿」と、暖めなおした空気が吹き出される「再熱除湿」の2つの方式があります。
●冷房除湿
- 室温を下げすぎないよう風量を抑えながらの運転のため、弱い冷房としても使える
- 長時間のエアコン運転でも省エネ
再熱除湿
- 冷えた空気を再び暖めてから吹き出すため室温が下がりすぎない
「タイマー」と「つけっぱなし」どっちが電気代が安い?
夏の夜、エアコンはタイマーで切るべきか、それとも朝までつけっぱなしにした方がいいのか。
パナソニックは、夏の夜間を再現した環境でエアコンの運転方法を比較する実験を実施。その結果、「3時間切タイマー」は明け方に室温が30℃を超える一方、つけっぱなしでも電気代の差は一晩約15円だったことが分かりました(パナソニック「エオリア」調べ)。
切タイマーでは明け方に31℃超え!
実験は、パナソニックの6畳相当の環境試験室で実施。夜間の外気温や日射を再現し、人が発する熱も考慮した状態で、「3時間切タイマー」と「つけっぱなし」を比較しました。
室温30℃から冷房を開始したところ、どちらも約30分で26~27℃まで下がりました。
しかし、その後は大きな差が生じます。
エアコンを朝までつけっぱなしにした場合は、8時間後まで26~27℃を維持。一方、3時間切タイマーでは停止から約30分後には28.6℃まで上昇し、8時間後には31.2℃に達しました。


快適に眠り始められても、明け方には寝苦しい環境になってしまう可能性があるといいます。
電気代の差は一晩わずか15.2円
8時間運転した場合の、気になる電気代も比較しました。
- つけっぱなし:26.7円
- 3時間切タイマー:11.5円
その差は15.2円でした。快適な睡眠環境を維持するために必要な追加コストは、一晩あたり約15円という結果になりました。
夜の冷房は昼より約半額
さらに、昼間と夜間の冷房運転も比較しています。8時間つけっぱなしにした場合の電気代は以下の通り。
- 昼間:52.7円
- 夜間:26.7円
夜間は昼間より約26円安い結果となりました。
これは夜間の方が外気温が低く、日差しの影響もないため、エアコンの負荷が小さく済むことが理由とされています。

「我慢する節電」より快適な睡眠を
近年は熱帯夜が増え、睡眠中の熱中症リスクも高まっています。
今回の実験結果から、エアコンをタイマーで止めると室温が30℃を超える一方、朝まで運転を続けても電気代の増加は一晩約15円程度であることが分かりました。
暑さを我慢してエアコンを切るよりも、つけっぱなしで快適な睡眠環境を保つことが、熱中症予防や睡眠の質の向上につながる選択肢になりそうです。
■実験概要
計測内容:室温、消費電力量
計測時間:8時間
計測方法:
・当社環境試験室(6畳)にて、当社独自の条件により評価
日中 <外気条件>気温35℃/湿度40% <日射>あり <エアコン設定>冷房28℃/風量風向自動
夜間 <外気条件>気温30℃/湿度90% <日射>なし <エアコン設定>冷房28℃/風量風向自動
・室内に一人滞在していることを想定し、人一人分の熱源を試験室内に配置
使用機種:エオリア インバーター冷暖房除湿タイプ ルームエアコン CS-J226D
プロフィール
パナソニック エアーマイスター 兼 熱中症予防指導員
福田 風子
パナソニック HVAC & CC株式会社。自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べたりなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。
<Edit:編集部>









