地元が見守ってきた箱根駅伝とは。小田原中継所の鈴廣蒲鉾、出場校が愛用する常宿の女将に聞きました (2/3)
東洋大学・早稲田大学が宿泊している『ホテルむさしや』さん
「宿に帰ってくる選手たちは、いい結果が出ても出なくても、選手たちが落ち込んだり喜んだりしているということはありません。後輩やチームメイトにそういった姿を見せないためなのかもしれませんね」と『ホテルむさしや』の女将・太田敏恵さん。
元箱根にある『ホテルむさしや』さんは、70年以上前から常宿として選手を支え続けてきたそうです。現在は東洋大学と早稲田大学が常宿にしているそう。あまり構えることなく、いつも通り自然に選手たちを迎えられるよう、万全の体制で迎えますとおっしゃっていました。
魅力については、「ひとことでは表せませんが……。やはり襷を繋ぐところですかね。とにかく選手たちの走りに、いつも感動してしまいます。新春の2日間、箱根に注目していただけることもありがたいです」と太田さん。
選手の懸命に走る姿や襷を繋ぐ姿はもちろん、地元の方にとっては「箱根」の宣伝効果も魅力のひとつということですね。
一方、「昔はコースが過酷だったこともあって、棄権してしまった選手をチームメイトがなぐさめたり励ましたりしている様子を見ることもありました」と語るのは、『やまいち旅館』の女将・小泉孝子さん。
7チームの選手たちが宿泊している『やまいち旅館』さん
平塚にある『やまいち旅館』さんは、約20年以上前から常宿として箱根駅伝を見守っています。現在、青山学院大学、中央学院大学、国士舘大学、城西大学、明治大学、大東文化大学、関東学生連合の7チームの選手が常宿にしているそう。朝晩の食事にも力を入れ、各校の要望を入れた食事を用意してサポートしているそうです。
「選手の走る姿をみると我が子のようで、日々努力している選手たちに心打たれます」と小泉さん。当日のコースの雰囲気を感じるために、選手たちが年間を通して訪れることもあるそうです。