インタビュー
2019年3月18日

NMB48・川上千尋「アクセルジャンプができたときはすごくうれしかった」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#19 (3/3)

トップレベルの練習量は想像以上

――できるようになっていちばんうれしかった技はありますか?

アクセルジャンプですね。私、最初に練習した技がアクセルだったんです。それと同時に、習得するのにいちばん苦戦したのもアクセルで。そもそも、エッジがついた靴を履いてジャンプするなんて最初は想像もつきませんでした。踏み切るのも着地する瞬間も怖いし。「半回転でも怖いのに、一回転なんて絶対にできひんわ!」って挫折しそうになって。

――どれくらいでできるようになったんですか?

1ヶ月以上はかかりましたね。だから、初めて成功したときはすごくうれしかったですね。でも、曲をかけて練習してる途中だったので成功しても喜びに浸る暇ありませんでした。

――最も練習していた時期は、どんなスケジュールをこなしていたんですか?

朝の5時半から1時間半くらいリンクを貸し切りにして練習します。その後、クールダウンしてから、練習に参加したみんなで朝ごはん。その後は9時からリンクの周りを10周ダッシュ、終わった人から空気椅子、筋トレというメニューを11時まで。体幹を鍛えるために、目をつぶって片足で立つ練習もしました。何秒まで我慢できるか測るんです。

――午前中からみっちりですね。午後は?

11時半から一般滑走が始まるんですけど、その中で14時くらいまで滑ります。それで14時半からはダンスとバレエのレッスン。大会が近いときは、夜10時から夜中の2時くらいまで練習することもありました。

――思っていたより数倍以上ハードで驚きました。トップレベルの選手たちはそんなスケジュールをこなしているんですね。

そうですね。2017年に四大陸選手権優勝の三原舞依ちゃんや、平昌五輪に出場していた宮原知子さんとは同じ大会に出場することもあったんですけど、私と同じかそれ以上の練習量をこなしていたと思います。

――五輪選手の宮原さんは、やはり当時から高いレベルの滑りを見せていたのでしょうか?

そうですね。試合に出るだけで「宮原さん、今日は出るんや」ってみんなが噂するくらい大阪では有名でした。住む世界が違うというか。実際、初めて演技を見たときは、こんな滑りができる人がいるんだと驚きました。スケーティングの速さはもちろん、回転速度もすごいし、ジャンプも失敗しない。それだけでもスゴいのに、性格も良いんですよ(笑)。話した感じも気取ってなくて、「こんなに良い人いるんや」と思いましたね。

後編:NMB48・川上千尋「今でもフィギュアスケートの練習は続けてるんです」(後編)

[プロフィール]
川上千尋(かわかみ・ちひろ)/NMB48チームN
1998年12月17日生まれ、大阪府出身。相性は「ちっひー」。2012年、NMB48に4期生として加入。現在はチームNのキャプテンを務める。特技のフィギュアスケートは6級の腕前で、自身のTwitterではフィギュアスケート講座の動画をアップしている。阪神タイガースのファンで、2018年には応援コミュニティ「TORACO」の応援隊長も務めた。
【公式Twitter】https://twitter.com/kchi_hi1217

<Text:森祐介/Edit:村上広大/Photo:室岡小百合>

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