大迫傑が語る、MGCとその後 (3/3)
―― 海外との差を感じますか。
そうですね。あとは、そのお金は何処に行っているのか。説明があって、ボクら全員が納得できれば良いんですけど、どうなんですかねというところ。喧嘩を売るわけじゃなくて、そうやって疑問を持つことって大事なんだよというところを伝えていく必要があると。話し合いをすれば良いので。戦いを挑みにいってるわけではないです。ただ単に「どうなの」って質問があるだけですかね。
―― 今回のレースでは沿道にたくさんの人がいました。声は聞こえていましたか。
そうですね、東京マラソンのときにある程度、あったので、特別驚いたということはなかったんですけど、多くの方に応援してもらって、改めてマラソンって日本で注目されるスポーツなんだなと感じました。
―― 印象に残っている沿道の声は。
自転車でついてきてくれる人がいて、前とのタイム差とか言ってくれて。あまり良くないかもしれないですけど、助かりました。けっこう、追いかけてきましたね。
東京五輪は“まだ考えられない”というのが正直なところ
―― シューズについて、履き心地は。
※今回、大迫選手は「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」を着用
大きく変わったのはクッション性と、あとはアッパーの部分で、クッション性についてはさらに厚みを増して、より足を守ってくれるような、後半に向けて貯めやすくなったのがありますね。アッパーに関して言えば、いままでフライニットで、ボクは好きなんですが、雨のときにちょっと重くなることがあったので、このアッパーになってからそれもなくて。今回は、雨は降らなかったんですが、暑いと水を被ることもあるので、このアッパーなら重くなることもなく、常に快適に走れたという部分はありますね。フライニットもフィット感がありましたけど、ボクの中では差がなく、こちらもフィットするなという印象ですね。普通のスパイクでも練習していて、それと比べると長い距離の練習は走りやすくなったなと思いますね。
―― 走り終えたときの疲労感は。
あると思います。速く走れるぶん、足へのダメージもあるとは思います。
―― マラソンの練習もスパイクでやることがあるんですか。
そうですね、わりと質の高い練習もしているので、スピードを追うときは追うというところで。使い分けで、トラック練習しているのにヴェイパーは履かないですし、というところですかね。もちろんトラックでも走れはするんですけど、そこは線を引いています。
―― 履き分けとしては、ジョグのときはペガサスターボとか?
ジョグはペガサスですかね。
―― レース前のウォームアップで履いていたのも?
あれもペガサスですね。
―― 厚底シューズを初めて履いたときの感想は。
最初はかなり、見た目もそうですし、足を入れた感じも従来のシューズとは違うので違和感はあったんですが、でも慣れるのに時間はかからなかったというか、慣れたら履きやすいシューズだなと。
―― 市民ランナーにもオススメできますか。
もちろん、履きこなすこなせないと言う方がいますが、そんなことはなくて、誰でも履ける、特に今回優勝した中村選手は今流行りのフォアフットというものではないですけど、でもしっかり履きこなしているので、どのフォームだから、誰だから履けないということはないです。
―― シューズも注目されました。そんな状況をつくったのも大迫さん、設楽さんだと思いますが感想は。
そうですね。ただ、この商品が優れているから、みんなが履いて口コミもそうですし、広がっていくのであって。だからボクが、設楽選手が履いたからということではなくて、本当に良いものは良い、ということだと思います。
―― このシューズを履きこなすためにトレーニング、体型を変えようと思っている市民タンナーもいそうです。大迫さんは必要でしたか。
自然と、と言うか、まぁひとつアドバイスをするのであれば、このシューズってある程度、そんなに無駄使いができないって言ったらおかしいですけど、毎日練習で履くっていうのは難しいと思うんですけど、ただ例えば、これに似ているペガサスターボだとか、ズームフライとかは形状などが似ているので、うまくそれで慣れるというのは、ひとつあって良いんじゃないかなと思いますね。傾斜しているので、それをひとつ下のモデルで試すというのはあると思います。
―― 今後の予定は。
まだ決まっていないです。
―― 休養は?
そうですね。まぁ、ダメージもあるのでそれを抜くことが練習の時間でもありますね。
―― 改めて、来年の東京オリンピックはどういう舞台にしたいと思っていますか。
もちろん大きなものですし、ただ決まらなかったということで、その前にやらなきゃいけないことが出てきたので、走れるかどうか分からないですけど、まずはそこに集中するしかないというところですかね。だから、“まだ考えられない”というのが、正直なところです。
<Text:近藤謙太郎/Photo:編集部、Nike>