夏バテ防止や体臭を軽減！汗腺トレーニングの効果と正しいやり方

「汗ってかかない方が清潔でしょ？」そんなふうに思っていませんか？実は「汗をかかない体」こそが、かえってニオイや不調の原因になることもあると、美容皮膚科医・久野賀子先生は言います。

汗をかくのにおすすめの方法が「汗腺トレーニング」。さらさら汗をかくことで、ニオイ対策から体調まで整えてくれます。

実はあまり良くない…「汗をかかない体」に潜む落とし穴

ニオイの原因になる

汗をかかない生活が続くと、汗腺が衰えて「悪い汗」が出やすくなります。悪い汗とは、皮脂や老廃物を多く含み、ベタつきや強いニオイの原因になります。

体温調節ができず、熱がこもる

汗は体温を下げるための自然な冷却システムです。うまく汗がかけないと、熱中症やのぼせのリスクが高まります。

代謝・血流の低下

汗をかくことで血流が促され、基礎代謝がアップします。汗をかかないと、むくみ・冷え・慢性的な疲れにつながることもあります。

「汗拭きシートを使うとワキガになる」って本当？なぜか脇の匂いがきつくなったのですが…

「サラサラの汗」と「臭う汗」の違い

久野賀子先生：サラサラの汗はエクリン腺で作られます。主ににおいの原因となる物質はアポクリン腺で作られます。

アポクリン腺は自律神経の影響を受けやすく、緊張したりドキドキしたりするときに特にでます。普段から自分らしく、リラックスできる環境を整えておくと良いでしょう。

汗腺トレーニングの効果とメリット

汗腺の働きを取り戻すことで、「質の良い汗」がかける体に整えることができます。汗をかいてもベタつかず、ニオイの少ないサラサラ汗になれば、毎日の快適さがぐっと変わります。

効果・メリット	詳細
ニオイが軽減する	汗腺が正常に働くことで皮脂や老廃物が混ざりにくくなる。
熱に強くなる	発汗機能が整い、体温調節がスムーズになって熱中症リスクが下がる。
代謝・血流アップ	血流改善や基礎代謝向上により、疲れにくく痩せやすい体に近づく。
美肌効果	汗と一緒に老廃物が排出され、毛穴の詰まりやくすみの改善にもつながる。

無理なく続けられる3つの汗腺トレーニング法

汗をかく習慣は、日常のなかでできます。無理なく続けられる3つの汗腺トレーニング法を紹介します。

半身浴・サウナ

半身浴

ぬるめ（38〜40℃）のお湯に20〜30分つかる半身浴は、じんわりと汗をかく練習にぴったり。体調がよければサウナも有効ですが、無理のない範囲で行いましょう。

有酸素運動

ウォーキングや軽いストレッチなど、軽めの有酸素運動を取り入れることで、日常的に汗をかく体質を育てることができます。

■家でできる有酸素運動

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温冷交代浴

お湯・冷水

お風呂で「温かいお湯→冷水シャワー→温かいお湯」を交互に浴びることで、汗腺と自律神経の働きが刺激され、質のよい汗をかきやすくなります。

いつ、どれくらいの頻度でやるのがいい？

朝よりも、汗をかいてもすぐにシャワーで流せる夕方〜夜のお風呂前の時間帯が快適でおすすめです。

頻度ですが、「汗をたくさんかけばいい」わけではありません。じんわりと汗ばむ程度の習慣を、無理なく続けることがポイントです。

方法	頻度	時間の目安	タイミングのおすすめ
半身浴・サウナ	毎日 or 週3回	20〜30分	就寝前などリラックスタイム
有酸素運動	週3〜5回	10〜20分	夕方のお風呂前などが快適
温冷交代浴	週2〜3回	各温冷セット2〜3回	入浴時に合わせて行う

汗腺トレーニングの効果はいつ出る？

早い人なら1〜2週間ほどで、汗のかき方に変化を感じる人もいます。1か月程度続けると、ニオイが気にならなくなった、汗をかいても不快感が減った、という実感が得られる人も。

継続がカギになるため、無理なくコツコツと取り入れてみましょう。

汗は「かかない」よりも「質を整える」ことが大事

汗は体温調整やデトックスなど、体にとって大切な働きをしています。「かかないように抑える」よりも、「質のいい汗をかける体に整える」ほうが、快適さも清潔感もアップします。

汗をかきたくない人は、次のような対策をしてみましょう。

対策	ポイント
制汗剤を部分使い	脇などニオイが気になる部分だけに使う。夜用制汗剤なら刺激も少なめ。
吸汗速乾インナーを活用	汗をすぐに吸収して乾かす素材で、ベタつきやニオイを抑える。
サラサラ汗体質を目指す	汗腺トレーニングで、ベタつかずニオイの少ない汗に変えていく。

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監修者プロフィール

美容皮膚科医
久野賀子

PRIDE CLINIC 院長久野賀子 2017年東京医科歯科大学医学部医学科卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。