2018年10月9日

ランニングシューズの「基本のき」。選び方、最新事情、厚底シューズの性能、手入れ方法をマラソンのプロに聞いた (1/3)

 ランナーの必需品といえばランニングシューズ。レースでのパフォーマンスを左右する大切な相棒です。よいシューズに巡り合えれば、モチベーションが高まり、練習の成果も上がります。

 最近のシューズ事情やベストな一足に出会うためのポイント、手入れの仕方などを、ランニングの技術指導だけでなくシューズにも精通する「Japanマラソンクラブ」マラソン完走請負人・牧野仁さんに聞きました。

ランニングシューズの最新事情とは?

▲今回お話を聞いた牧野さん

――ランニングに欠かせないものといえば、やはりシューズです。ランナーそれぞれの走力やタイムで選ぶのが一般的と言われていますが、選び方のポイントはありますか?

選び方の前に、まずはランニングシューズの歴史をざっくりと押さえておきましょうか。日本で一般の人が走るためのランニングシューズが登場したのは、ジョギングブームが起こった1970年代。それより前は、スポーツシューズといえば、選手が競技用として履くためのものでした。

シューズの種類が一気に増えたのは、東京マラソンがきっかけでマラソンブームが到来した2007年以降。多くの人がマラソンをはじめたことで、使い方が幅広くなったんです。スポーツジムのランニングマシンで走った後にそのままエクササイズのプログラムにも参加する人がいたりしますし。

――街歩きファッションに合うおしゃれなデザインのものも人気がありますね。

マラソンにこだわらず幅広いスポーツに対応できて、履きやすくデザイン性も高いというランニングシューズの人気が高い。ここ2~3年、各メーカーともこの手の新製品の開発に力が入っていますね。

――ユーザーの願いを形にしたようなシューズ、履いてみたくなります。私は年に数回、マラソンのレースに出場していますが、マイペースランナーの私にはちょうどよさそう。

幅広く対応できるシューズは、近所を2~3km走るぐらいの人にはよいけれど、レースに出場するランナーにはたとえ10kmでもおすすめできません。ランニングシューズとはいえ、こういうシューズはマラソン向きではないので。

――ランニングシューズなのに、マラソンには向かないのですか?

ほかの競技やエクササイズと違って、マラソンは長い距離をまっすぐに走ります。その動きに最適なのは、アウトソールに縦ラインが入っているシューズ。このラインに沿って重心移動すると自然と効率よく走れます。ショップによっては、ランニングシューズコーナーはあってもマラソン用のシューズは扱っていない店もあるので、レース用のシューズを購入する場合は、やはりスポーツ専門店やメーカー直営店で購入するのがおすすめです。

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