2019年1月23日

いつもと違うトレーニングで新しい景色が見えた│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#24 (1/2)

 アラフォーでランニングを始めてフルマラソン完走の経験を持ち、ゴルフ、テニス、ヨガ、筋トレまで嗜む、大のスポーツ好きにして“雑食系”を自負する作家の甘糟りり子さんによる本連載。

 今回は友人のジェーン・スーさんと一緒に訪れたという、自重トレーニングのパーソナルジムについて。普段は主にマシントレーニングに励んでいる甘糟さんにとって新鮮な体験になったようです。

何のためにトレーニングを? 改めて考えるきっかけに

 コラムニストで、TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』のパーソナリティのジェーン・スーさんに誘われて、恵比寿のジムに行ってきました。自重トレーニングのパーソナルです。

 10歳年下の彼女とは仕事を通じて知り合って、時々食事をするようになりました。いつだったか、雑誌『AERA』で、2人でボクシングを習い、マッサージを受けた後においしいものを食べながら語り合うという、夢のような企画があったのですが、その際、私の体力にスーさんが感心してくれたのをよく覚えています。「バブル世代って、エネルギーが有り余っているんですねえ」とかなんとか。若干、呆れていたような気がしなくもないですが。まあ、いいや。

 今回のトレーニング、普段は週に1、2度、マシンとバーで古典的な筋トレに励んでいる私にはいい刺激になりました。書かなければならない原稿やこなさなければならない生活の雑事の合間をぬって何のためにトレーニングをしているのか、改めて考えるきっかけになったのです。

 伺ったのは、LIMというスタジオ。Less is moreの略です。ホームページによれば、「シンプルで効果的な無駄のない身体造りのサポートをしたい/短期集中ダイエットで痩せることはせず、自然と綺麗な身体をつくりたい/身体を整える習慣を身につけて欲しい」とのいう思いから作られたのだそう。

 こじんまりとしたスタジオには、ベンチやボス(正式名称は「ボス バランストレーナー」。バランスボールが半分になったようなアレです)、バランスボールや色とりどりのゴムなど。いかついマシンやバー、錘(おもり)なんかはありません。そう、ここでは自分の体重が錘なんです。

 まずは入念なストレッチ。20分近くかけて身体のあちこちを伸ばします。いきなり心の中に「反省」の2文字が浮かびました。とにかく汗かきたい派の私は、しょっちゅうストレッチを怠っては怪我をしたり、余計な筋肉痛を引き起こしたりしているので。イチロー選手は練習前のストレッチに2時間近くかけるといいますよね。当たり前なんですが、丁寧にストレッチをすれば、身体の伸び縮みも良くなって、気持ちが上がります。自分の体がギアだという意識を持たなくちゃ。

 私は多分、トレーニングとストレッチを白と黒みたいに分けすぎなんだと思います。深いストレッチはトレーニングにもなるということを、頭ではわかっているのですが、ついつい派手な動きで気を済ませがち。セルフ・トレーニングの時も、ストレッチの時間を増やそうと決意しました。

 トレーニングは、ひっくり返したボスで腕立てをしたり、ベンチを使って腹筋をしたり。一番きつかったのはゴム歩きです。くるぶしとひざ下に違うテンションのゴムを2つつけて、カニ歩きを4往復するのですが、途中でいったん止まってしまいました。太ももが悲鳴をあげたのです。いや、ほんとに「もう、勘弁して!」と太ももが私に訴えてきたんだから。この立派な太もも、もうちょっと使えると思っていたんだけどなあ。

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