フィットネス
2024年1月26日

疲れない走り方とは。ランニングフォームは「上半身を使う」がポイント (2/2)

身体を引っ張る

 腕を振って前に出ると、その動きによって身体全体が引っ張られます。特に上り坂では、やや斜め上に引き上げるような意識で腕を振ると、下半身への負担を軽減して走りやすくなるはずです。

腕振りを大きくしない

 腕振りを大きくすると、その分だけリズムが遅くなります。試しに肘を小さく曲げた状態と、伸ばした状態で腕を振ってみてください。伸ばした状態では、あまり早く振ることができないはずです。

 大振りにならないよう、腕はコンパクトにして振るようにしましょう。肩や手、腕が力まず、理想とするピッチがもっとも刻みやすい角度を維持することが大切です。

ポイント3 前傾姿勢を維持するための体幹

 ランニング時は、前傾姿勢を維持することで、重心移動による前への推進力が得られます。そして前傾姿勢では着地位置が直立に比べて後ろになるので、反発も自然と前方に向くはずです。ストライドが伸び、自然と大きなランニングフォームが獲得できます。

 しかし疲労するほど、前傾を維持することは難しくなるでしょう。これは、体幹部が身体を支え続けられなくなることが大きな原因です。そのため体幹部を強化して、前傾姿勢を維持しながら走るように取り組んでみてください。もちろん、単距離走のスタートのような急な前傾角度は不要です。体幹トレーニングを行ってから走ると、筋肉が緊張しているため体幹を使って走れているか意識しやすいでしょう。

 ちなみに私の場合、マラソン大会を走った後は足よりも腹筋部など体幹が大きく疲労します。これは、しっかり上半身を使って走ることができた一つの証と言えるでしょう。

 上半身を使って走るようになると、下半身の疲労度が大きく変わってきます。疲れにくさはもちろん、走力自体が同じでも「早く」「楽に」「長く」走れるようになるはずです。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
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<Text & Photo:三河賢文>

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