2017年8月30日

ランニング足袋「MUTEKI」の特徴とランナーに向けた思いとは (2/2)

こだわりの天然ゴムと、足袋という形状のメリット

 何も知らずに製品を見れば、地下足袋と見間違うような見た目の『MUTEKI』。このシューズが、ランナーの走りにどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。

「MUTEKIには、5mmのアウトソールしかありません。さらにアウトソールは天然ゴムが使用されており、とても柔らかくなっています。この天然ゴムがきねや足袋を選んだ理由だったのですが、脚の動きを邪魔せず、まさに裸足の感覚で走ることができるはずです」

 実際に製品を手に取ってみても、確かにアウトソールはグニャグニャと簡単に曲がるほどの柔らかさ。だからこそ、足がしっかりと地面を捉え、裸足と遜色ないランニングフォームが実現できるのでしょう。

 しかし中には、親指だけが独立した形状に疑問を持つ方がいるかもしれません。実はこの形状も、高岡さんによれば理にかなったものなのだと言います。 

「手で考えると、親指とその他の指とでは機能と見た目が異なりますよね。手を広げれば、親指だけが横に開いているはずです。しかし本来、これは脚も同様なはず。しかし親指を使えていないため、どんどん中に入ってしまっています。MUTEKIは親指だけを独立させることで、脚の持つ本来の機能を発達させられるような形状になっているんですよ」

 現在は『MUTEKI』に続き、新作『Toe-Bi』の開発が進んでいるそうです。こちらはアッパー部分にもこだわり、通気性の良い素材が用いられているとのこと。また、アウトソールは3mmとMUTEKIより薄く、上級者向けのシューズとなっています。

 ランニング時の動き、そして脚の機能まで考えられたシューズ『MUTEKI』と、そのコンセプトを引き継いだ上級者向けの『Toe-Bi』。走り方を変えたいという方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

[プロフィール]
高岡尚司(たかおか・しょうじ)
1978年8月生まれ、熊本県出身。高校から陸上競技をはじめ、主に中距離選手として活躍。大学卒業後、鍼灸マッサージ師を志して専門学校へ。現在は治療院等で勤務する傍ら、自身の生み出したランニングメソッド『ゼロベースランニング』をもとに、ランニング指導などを行う。裸足でのフルマラソン日本記録(2時間45分39秒)保持者
【HP】https://www.takaokashoji.com/

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】http://www.run-writer.com

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<Text & Photo:三河賢文>

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