なんとなく会社に行きたくない人へ!脳疲労の視点から「具体的な対処法」をお届けします (3/4)
「なんとなくだるい」の対処法には2つある
脳の疲労について考えてきました。体力の低下と比べ、脳力の低下は気づきにくいものです。
あなたが「なんとなくだるい」と感じる場合、脳の血流を良くすることが大事です。先述した「手足・眼球トレーニング」で対処できます。
しかし、まだなんとなくモヤモヤが残る場合も多いです。こうした気分のとき、次のどちらで対処したいか選んでみてください。どちらに惹かれるでしょうか?
A 緑豊かな自然の中、一人でのんびりしたい
B モヤモヤした思いを、誰かに聞いて欲しい
「自分が自分ではない」感覚を感じているなら、Aの「自然の中、一人でのんびり」がオススメ
このAとBは、どちらを選んでも正解です。どちらも自律神経の迷走神経(※)の疲労から生じるものだからです。
(※)迷走神経はポリヴェーガル理論に基づいています
しかし、「自分が自分ではない」感覚のときは、「A」がオススメです。
実は、Aは背中に走る背側迷走神経が疲れているときの対処法です。自分の背骨(自分軸)がグラついた状態だと、自分が自分ではない感覚を感じ、疲労感につながります。
よって、自分の軸を整えるために「のんびり」を意識することが大事です。
背側迷走神経の疲労を解消するワーク
自分の軸を整えるための「のんびり」が必要です。
(1)さまざまな動作をゆっくりと行います。やらなくてもよい作業は、やらなくても大丈夫です
(2)腎臓に手を当てます。アドレナリンの分泌を抑える効果があります。興奮を抑えることも、のんびりには必要です
(3)首の後ろを温かいタオルで温めます。背側迷走神経は首の後ろを通り脳に通じているからです
「誰とも繋がっていない」感覚を感じているなら、Bの「誰かにモヤモヤを聞いてもらう」がオススメ
Bは、腹側に走る腹側迷走神経が疲れているときの対処法です。仲間意識が持てない状態だと、「誰とも繋がっていない」感覚を感じ、疲労感につながります。
孤立を回避し、繋がり感を取り戻すための「繋がり」を意識することが大事です。
腹側迷走神経の疲労を解消するワーク
交流を回復させるための「つながり」が必要です。本来であれば、誰かが傍に居てくれることが安心感に繋がります。しかし、それが難しい場合、喉や表情を動かすことが大事です。なぜならば、腹側迷走神経は喉(首の表側)や顔を通じて脳に通じているからです。具体的な方法をいくつか挙げます。
(1)音を出す、声を出すなど、喉を動かすことです。「あ~」などの簡単な音や「ボ~」と汽笛の音のようにシンプルな方が、余計なことを考えずに済みます
(2)うがいをする。これも喉の運動に通じます
(3)クシャと顔をさせる。梅干を食べた場面をイメージしてください。顔全体をクシャとさせる行為は、顔を通る腹側迷走神経を刺激します