ひどい寝汗で起きる…原因は?病気「以外で」考えられること (2/2)
寝汗がひどいときに考えられる病気
では、寝汗がかなりひどいときに考えられる病気として、どんなものがあるでしょうか。いくつか代表的なものを挙げます。
自律神経失調症
自律神経のバランスが崩れることで、体温調節が正常に行われず、寝汗が増えることがあります。ストレスや生活習慣が影響することが多いです。
漢方的に考えると、元気のもとである“気”が少なくなった状態の“気虚”では、寝汗を一つの目安にします。
更年期障害などのホルモン異常
更年期や月経周期に伴うホルモンの変動が原因で、寝汗が増えることがあります。
とくにエストロゲンという女性ホルモンの減少により、急な体温上昇(ホットフラッシュ)が起き、発汗が起こりやすくなります。
風邪やインフルエンザなどの感染症
特定の感染症、たとえば風邪やインフルエンザ、細菌感染などが原因で発汗が増えることがあります。体が感染と戦っている際に、体温が上昇し、寝汗をかくことがあります。
睡眠時無呼吸症候群
呼吸が一時的に止まることによって、体が緊張し、発汗が促されることがあります。日中の眠気や疲れを感じる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群というと太った男性のイメージがありますが、更年期以降の女性では意外と多い報告もあります。
ほかにも、糖尿病やバセドウ病などの甲状腺機能亢進症、悪性リンパ腫や白血病なども、夜間発汗が起きることがあります。
他の症状(体重減少、食欲不振、持続的な疲労感、発熱など)とともに現れることが多いため、心配な場合は速やかに医療機関の受診をおすすめします。
「ひどい寝汗」ってどれくらいを指す?
ちなみに「ひどい寝汗」とは、一般的に以下の状態を指します。
- 寝ている間に大量の発汗があり、衣服やシーツがびしょびしょになる
- 定期的に、またはほぼ毎晩のようにある
- 寝汗が原因で睡眠の質が低下し、中途覚醒や寝具を頻繁に交換しなければならない
心配な場合、まずは内科や、女性で更年期世代の方なら婦人科へ行って相談してみるとよいでしょう。
監修者プロフィール
沢岻美奈子女性医療クリニック院長 沢岻 美奈子
日本産科婦人科学会専門医。子宮がん検診や乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く行なっている。更年期での病院受診のハードルが下がるように、受診しやすいクリニック作りとしてインスタグラムでも情報発信中。
<Edit:編集部>