「親からの愛情不足で育った大人」の特徴とは。こんな問題行動や思考の偏り、ありませんか? (4/4)
愛情不足で育ってきても、問題なく成長している人もいる? その理由とは
では、親からの愛情が足りなかった人は、すべて問題行動や思考の偏りを抱いてしまうかというと、そうではありません。愛情不足で育ったとしても、問題なく成長する人もいます。
親以外の大人から愛情を受けて育ってきた場合
親以外の大人(祖父母、親戚、教師など)から愛情や支援を受けた場合、その愛情が子どもの成長に大きなプラスの影響を与えることがあります。
もともとレジリエンス(心の回復力)が高い場合
過酷な状況でも、逆境を乗り越える力(レジリエンス)が高い人は、自分を肯定し、成長することができます。この力は遺伝的要素や環境による影響を受けます。
三凛さんコメント
私は長年、アダルトチルドレン(いわゆる毒親育ち)として生きていましたが、30代前半の頃に心理学やメンタルトレーニングと出会い、自身のメンタル改善に取り組んできました。
3歳前半までは人生がうまくいかず、ついには海外でホームレス寸前の生活になってしまったのですが、自身がアダルトチルドレンだということを知り、ケアするようになってから、人間関係も仕事もとてもうまくいくようになりました。
自身がアダルトチルドレンだということを自覚せず放置し続けると、どうしても人生のあらゆる物事がうまくいかない状態が続きますが、大人になってから正しくケアしていくことで自身の思考の癖も行動も変えることができます。
幼少期において、愛情は「実の親」から与えられなければいけないのか。祖父母や他人からでも問題ない?
幼少期における愛情は、実の親でなくても十分に機能します。
愛情や安全感を与えてくれる大人が、祖父母や養育者、他の信頼できる人物であれば、子どもの心は十分に育まれます。重要なのは、安定した愛情と安心できる環境です。
三凛さんコメント
発達心理学の分野では「両親でなくても幼少期に接点を持つ祖父母や教師など重要な他者からの愛情は、健全な発達につながる」「複数の愛着対象を持つことは、むしろ望ましい」
「とくに幼少期においては、一貫した愛情表現を示す大人の存在が重要」だということが示されています。
つまり、実の親でなくても、幼少期に接する大人との関係はとても重要だということです。
ただし、生みの親と育ての親がいたとしても、生みの親との関係性が本人のメンタルヘルスや自己肯定感に影響するということも指摘されています。
愛情不足で育った自覚がある大人、リカバリー方法はある?
愛情が不足して育ってきたと感じている場合、以下のような方法を試してみてください。
1. 完璧主義を手放し、失敗を成長の一部と捉える
完璧を目指すのではなく、「まずやってみる」ことに意識を向けましょう。失敗しても、自分を責めずに「これも学びの一環だ」と捉えることが大切です。
たとえば、何か新しいことを始めたとき、「100%成功しなければならない」と考えるのではなく、「70%できればOK」と柔軟に考える習慣をつけてみてください。
2. 自分自身への優しい言葉がけ
普段から自分を否定するような言葉を使わないように心がけましょう。たとえば、「また失敗した」と思ったときに、「私は頑張っている」「これは次の成功へのステップだ」と声に出してみてください。
さらに、毎日寝る前に「今日も一日よく頑張ったね」「ありがとう」と、自分をねぎらう言葉をかける習慣を作ると、自己肯定感が自然と高まります。
3. 今の目の前の現実に感謝する
感謝の心を持つことは、幸せを感じる第一歩です。感謝の気持ちを強化するためには、感謝日記をつけるのが効果的です。
毎晩、寝る前に「今日ありがたく感じたこと」を3つ書き出してみましょう。「今日も仕事が無事に終わった」「友達と楽しく話せた」「天気が良かった」など、些細なことでも構いません。
さらにくわしいインナーチャイルドワークもあります。
監修者プロフィール
三凛さとし
親子関係心理学の専門家・合同会社serendipity代表。夢を追って渡米したものの借金苦と活動の失敗によりホームレス寸前の生活に。「何かおかしい」と感じ、心理学や自己啓発を勉強する中で、人生を好転させる方法を習得。お金、時間、場所、人間関係、心身の健康(人生の5大自由)を実現するということをテーマに2014年より各SNSにて情報発信。2022年にはKADOKAWAより親子関係心理学についての書籍「親子の法則」を出版し、発行部数6万部を記録。2024年9月にはメンタルからお金の問題を解消する「金のなる本 誰でも再現できる一生お金に困らない方法」を発売。ABEMA TV -For Japan- 日本を経営せよ!、テレ玉「BOSSのプレゼン」など、メディア出演多数。
<Edit:編集部>