ヘルス&メンタル
2024年12月18日
「社会的孤独」は動脈硬化を促進させる。慶應義塾が仕組みを解明 (1/2)
孤独はメンタル不調のみならず健康にも影響を与えるのは、皆さんご存知かと思います。
このたび、「社会的孤独」が脳視床下部でのオキシトシン分泌を減少させ、肝臓における脂質代謝異常を招くことで動脈硬化を促進させる新たな分子機序が発見されました。
発見したのは、慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)の高聖淵助教(研究当時)、安西淳専任講師、家田真樹教授らのグループは、内科学教室(腎内分泌代謝)の木内謙一郎准教授、林香教授、先端医科学研究所(脳科学)の田中謙二教授、および自治医科大学の尾仲達史教授らのグループです。
「孤独」は虚血性心血管疾患のリスクである
社会的孤独はヒトにおいて脂質代謝異常や動脈硬化を原因とする虚血性心血管疾患のリスクであることが報告されていましたが、その詳細な機序は明らかになっていませんでした。
今回研究チームは、社会性のあるマウスでも特に“絆”が深いとされる同胞マウスに限定して実験を行い、社会的孤独ストレスの影響を臓器横断的に検証しました。
その結果、これまで推定されていた食事摂取量や体重の増加、交感神経系、視床下部-下垂体-副腎皮質系および炎症の活性化とは無関係に、社会的孤独ストレスが動脈硬化を進行させることを見出しました。
またその機序として、脳視床下部で産生されるオキシトシンによる肝細胞を介した脂質代謝制御機構が破綻することが原因であることを明らかにしました。
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