
いつも物事を深く考えすぎてしまう……これって病気なの? (2/3)
疑われる病気2「適応障害」
江越先生:適応障害とは、特定のストレスによって、心身に不調をきたす病気です。個人差が大きいですが、「気分が落ち込む」「考えこみすぎて涙が出る」場合もあります。
適応障害は、環境を変えるなどしてストレスの原因から離れると、6ヶ月以内に症状がなくなるという特徴があります。
適応障害の主な症状は、気分の落ち込みや不安感、感情の高ぶり、集中力の低下、めまいや動悸、不眠などです。
こちらもやはり真面目で責任感が強い、几帳面、完璧主義や他人からの評価が気になりやすい、人に頼ることが苦手な人がなりやすいとされています。
適応障害は自分で根本的に症状を軽くすることが難しいため、病院に行きましょう。「精神科」または「心療内科」で相談してください。
病院では一般的に、「カウンセリング」を受けられます。病気の診断を受けた場合は、「薬物療法」が行われることが多いです。
カウンセリングは、医師や臨床心理士と話すことで、思考や行動を改善したり、新しい視点を得られたりする可能性があります。
薬物療法では、「抗うつ薬」などの薬を飲むことで症状の改善を図ります。
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の可能性も?
江越先生:病気を疑ってしまうほどに「物事を深く考えすぎる」場合、HSPの特性を持っている可能性があります。
HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき脳の扁桃体の働きが強く、脳内の神経が高ぶりやすい体質のことです。病名ではありません。
HSPは病気ではないですが、さまざまな刺激に反応しやすく、物事を深く考えてしまいがちです。
日常生活で生きづらさを感じる場合は、一度「精神科」または「心療内科」で相談してみてもよいでしょう。病院で診てもらった結果、「不安神経症」「適応障害」などの診断を受けるケースもあります。
HSPの特徴
●感受性が強い
●緊張しやすい
●音楽や美術に心を動かされやすい
●幼少期に周囲から「繊細」「人見知り」だと言われていた
●大きな音や明るい光が苦手