
プロテインで体臭がきつくなる?原因と対策を医師が解説 (2/2)
自分に合った摂取量とは?摂りすぎチェック
体臭が気になるときは、まず「プロテインの摂りすぎ」になっていないか見直してみましょう。
タンパク質の1日の摂取量
対象 | 摂取目安 |
なにも運動していない人 | 体重1kgあたり0.8~0.9g (体重60㎏の人なら48~54g) |
フィットネスなど 軽い運動をしている人 |
体重1kgあたり1.2~1.5g (体重60㎏の人なら72~90g) |
筋肉をつけたい人 /体重を増やしたい人 |
体重1kgあたり2gが必要摂取量 (体重60㎏の人なら120g) |
プロテインパウダーは1回あたり20g前後含まれていることが多く、1日2回飲めば40gほどを補える計算になります。しかも食事でも卵・納豆・鶏肉などからタンパク質を摂取している場合は、意外とすぐに上限に達してしまうのです。
「体を鍛えたいから」と多めに飲んでいる方は、適切な量なのか確認することをおすすめします。
参考記事:「筋トレ民はたんぱく質をどれくらい摂ればいい?1日に必要なたんぱく質量の目安とは」 より
食事でたんぱく質を摂る方がニオイ対策には良い
プロテインは手軽ですが、体臭リスクを抑えたいなら、できるだけ食事からタンパク質を摂るのが理想です。
肉・魚・卵・豆製品などに含まれるタンパク質は、消化・吸収がゆるやかで、肝臓や腎臓に急激な負担をかけにくいのが特徴です。さらに、代謝を助けるビタミンB群や亜鉛などの栄養素も含まれており、体臭予防に役立ちます。
また、食事は自然と満腹感を得られるため、タンパク質の摂りすぎを防ぎやすいというメリットもあります。プロテインはあくまで補助的に活用して、基本はバランスのよい食事を心がけることが大切です。
体臭を防ぐための3つの対策
プロテインを飲んでいるからといって、体臭はきつくしたくない。それなら、日常のちょっとした習慣を見直すとよいでしょう。
1. 摂取量を守り、運動や食事とバランスをとる
運動量に対して過剰なプロテインを摂ると、使われなかった分が老廃物として体に残ってしまいます。プロテインパウダーと食事からの摂取量を考えて、調整しましょう。
2. 水分をしっかりとる
タンパク質の代謝では老廃物が多く発生します。これをスムーズに排出するには、十分な水分が欠かせません。1日あたり1.5〜2リットルを目安に、こまめに水を飲みましょう。
3. 腸内環境を整える
発酵食品(ヨーグルト、味噌、ぬか漬けなど)や食物繊維を積極的に摂ることで、腸内の善玉菌が増え、便やガスのニオイを抑える効果が期待できます。
また、プロテインは、ホエイよりも腸に優しいソイプロテイン(大豆由来)を選ぶのもおすすめです。
プロテインパウダーを飲むときの注意点
普段からニオイが気になるわけじゃなくても、「飲み方」ひとつで体に負担がかかることもあります。体臭を防ぐためだけでなく、健康的に続けるためにも、次のポイントをチェックしてみてください。
空腹時や寝る前の大量摂取は避ける
特に寝る前にプロテインを多く摂ると、体が代謝しきれずにニオイの元となる物質がたまりやすくなります。就寝1〜2時間前までに、1回20g以内の量を心がけましょう。
無香料・無添加タイプを選ぶ
香料や人工甘味料が含まれたプロテインは、腸に合わないとガスや体臭の原因になることがあります。気になる場合は「ナチュラル」「プレーン」と記載のある無添加タイプを選びましょう。
飲んだ後は水をしっかり飲む
プロテイン摂取後には、追加でコップ1〜2杯の水を飲むのがおすすめです。代謝をサポートし、体内の老廃物を排出しやすくなります。
監修者プロフィール
美容皮膚科医
久野 賀子
2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。
<Edit:編集部>