
錠剤サプリとグミサプリ、どっちがいい?腎臓や肝臓への負担、吸収のよさ…それぞれのメリット・デメリットとは (1/2)
サプリを選ぶときに「錠剤にするか、グミにするか」で迷ったことはありませんか? 最近はおいしいグミサプリが人気ですが、王道の錠剤タイプのほうが「効果がありそう」と悩む人も多いのでは。
「何が違う?」「結局どっちを選べばいいのか」そんな疑問を解消するために、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。監修・コメントは、用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長の菊池真大先生です。
錠剤サプリとグミサプリの違いは? 基本は“成分と量”で決まる
サプリの働きは形状ではなく、中に含まれる成分とその量で決まります。同じ成分を同じ量だけ摂取できれば、体内での働きは基本的に同じです。
違いが出るとすれば、どれだけの量を摂れるか、飲みやすさ、そして余計な成分(糖分や甘味料など)が含まれているかという点です。
コスパ良し! 錠剤サプリのメリット・デメリット
錠剤サプリの最大のメリットは、効率よく必要な成分を摂れる点です。
1粒に成分をしっかり詰め込めるため、少ない粒数で必要量をカバーでき、余計な糖分やカロリーもほとんど含まれません。コストパフォーマンスも比較的良いので、長期的に続けやすいという利点があります。
吸収効率は?
気になる吸収効率ですが、「成分の種類」「製剤の工夫」などによって左右されます。
錠剤は、胃や腸の中で水分によって崩壊し、成分が溶け出してから体に吸収されます。適切に設計されたサプリであれば、吸収効率が極端に悪いわけではありません。
ただし、水に溶けにくい脂溶性成分(ビタミンA・D・E・KやDHA、コエンザイムQ10など)は、錠剤では吸収がやや劣ることがあり、油分と一緒に摂ることで吸収が改善されます。
一方、水溶性の成分(ビタミンCやB群など)は、錠剤でも比較的スムーズに吸収されます。ただし一度に大量に摂っても余剰分は尿として排泄されるため、「効率よく吸収する」という観点ではこまめに摂るほうが有効な場合もあります。
最近では液体状やリポソーム化など技術的な工夫がされているものも増えています。
錠剤サプリのデメリット
錠剤サプリのデメリットとしては、粒が大きくて飲みにくいと感じる人もおり、サプリを「薬のように飲まなければならない」と考えてしまうと、心理的なハードルが高くなる場合があります。
脂溶性ビタミンや一部のミネラル(カルシウム、鉄など)を過剰に摂り続けると、体内に蓄積して腎臓や肝臓に負担をかける可能性がありますが、適切な量を守っていれば基本的に問題ないとされています。
お菓子感覚で栄養補給⁉ グミサプリのメリット・デメリット
一方でグミサプリは、お菓子感覚で食べやすく、とくに錠剤が苦手な人や子どもでも続けやすいのが魅力です。
咀嚼力や咬合力が鍛えられるほか、あごの筋肉が鍛えられることでフェイスラインの引き締めにもつながりやすくなります。
また、噛むことで唾液の分泌が促され、ドライマウス対策や満腹中枢の刺激、口臭・歯周病の予防につながります。
UHA味覚糖株式会社は、グミはコラーゲンを基材にしており、栄養素を“乳化”しやすい形で包み込むため、体に取り込まれやすいとしています。
研究では、DHAやコエンザイムQ10といった脂溶性成分はカプセルよりもグミのほうが吸収速度や吸収量で優れていることが示されていました(※1)。ビタミンDでも同様に、錠剤よりグミのほうが吸収率が高いという報告も。
吸収効率は?
グミサプリにみられるゲル状物質は、錠剤のようなコーティングがないので、胃酸や消化酵素により短時間で膨潤して柔らかくなり、崩壊しやすい特徴があります。
また、グミサプリは噛んで細かくしてから飲み込むため、粒が小さくなり、表面積が広い状態で胃に到達でき、胃酸との接触面積が増すことでさらに吸収率が高くなります。
グミサプリのデメリット
一方でデメリットは、1粒あたりの栄養成分が少なめで複数個食べる必要があること、そして砂糖や甘味料が加わるためカロリーや糖分を摂りすぎてしまうリスクがあることです。
さらに、グミは単価がやや高めな傾向にあり、長期的に続ける場合にはコストも考慮する必要があります。
(※1)
還元型コエンザイムQ10を含むグミの唾液の分泌に対する効果:プラセボ対照、無作為化二重盲検群間比較試験およびin vitro試験
2019年:PLoS One. 2019 Apr 3;14(4):e0214495
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