 
          【愛着障害】なぜ「試すような行動」をする?その理由は"不安の合図" (2/5)
こんな行動は「試し行動」かも。具体例で見てみよう
試し行動にはさまざまなパターンがあります。具体例を知ることで、「これは試されているのかも」と気づくことができます。
大人の恋愛でよく見られる試し行動のパターン
●わざと返信を遅らせる
わざと連絡を遅らせたり、既読スルーをしたりして、相手が心配するか、追いかけてくるかを確認します。「私がいなくても平気なのか」を試しているのです。
相手が「どうしたの、大丈夫?」と心配してくれると「やっぱり自分を気にかけてくれている」と一時的に安心しますが、すぐにまた不安になり、同じことを繰り返します。

●連絡を断つ
些細なことで突然連絡を絶ち、相手がどれだけ自分を探してくれるかを試します。
「追いかけてこなければ、やっぱり愛されていない証拠」と考え、相手が必死に連絡してくることで安心を得ようとします。
●わざと嫉妬させる
他の異性の話をして相手を嫉妬させたり、あえて曖昧な状況を作ったりします。「嫉妬してくれる=大切に思っている証拠」と解釈し、相手の愛情を確認しようとします。しかし、これは相手を疲弊させ、信頼を損ないます。
●突然の別れ話・関係の破棄宣言をする
「もう別れよう」「あなたには私は無理」と突然言い出し、相手が「別れたくない」と引き留めるかを試します。
引き留めてもらうことで「本当に必要とされている」と確認したいのです。
これらの行動に共通するのは、「私がいなくなったら困る?」「本当に大切に思っている?」という確認の繰り返しです。一度や二度の保証では安心できず、何度も同じ確認を求めてしまいます。
子どもによく見られる試し行動のパターン
子どもの試し行動は、より直接的で分かりやすい形で表れます。
●わざとルールを破る
「9時までに寝ようね」と約束したのにわざと起きている、「走らないで」と言われた直後に走り出すなど、注意されたことをあえてします。
「怒られても見捨てられないか」「ルールを破った自分でも受け入れてもらえるか」を確認しています。
●優しくされた直後に反抗する
先生や親が優しく接してくれた直後に、暴言を吐いたり物を投げたりします。
「優しくしてくれるのは今だけで、本当は嫌いなんでしょ」という不信感から、「悪い自分を見せても変わらずに接してくれるか」を試します。
●激しい癇癪・自傷・他害をしてしまう
感情が爆発したときに、自分や他者を傷つける行動をとります。「こんな自分でも助けてくれるか」「本当に自分のことを大切に思っているか」を極端な形で確かめようとします。
●過度な要求とその拒否
「抱っこして」と甘えておきながら、実際に抱っこしようとすると拒否する。「おやつちょうだい」と言っておきながら、渡すと「いらない」と突き返す。
相手の反応を見て、一貫して優しく接してくれるかを確認しています。
●「どうせ◯◯なんでしょ」という挑発をする
「どうせ私のこと嫌いなんでしょ」「いなくなればいいと思ってるんでしょ」と挑発的な言葉を投げかけます。
否定してほしい、「そんなことない」と言ってほしいという願いの裏返しです。
●故意の失敗や破壊
せっかく作った工作を自分で壊す、できるはずのことをわざと失敗するなど。「失敗した自分」「ダメな自分」でも見捨てられないかを試しています。
これらの行動は、決して「親や先生を困らせてやろう」という悪意からではありません。「本当に自分を受け入れてくれるのか」を確認せずにはいられない、切実な不安の表れなのです。
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