 
          【愛着障害】なぜ「試すような行動」をする?その理由は"不安の合図" (4/5)
試し行動にはどんな対応をすればいい?
試し行動にどう対応するかは、相手(子ども・大人)や関係性によって異なります。
子どもへの対応は、叱るより「落ち着いて向き合う姿勢」
子どもの試し行動への対応で最も大切なのは、「何度試されても変わらない」一貫した姿勢です。
●感情的にならない
試し行動が激しいと、つい感情的になってしまいます。しかし、怒鳴ったり突き放したりすると、子どもは「やっぱり見捨てられた」と感じ、さらに試し行動がエスカレートします。深呼吸をして、冷静に対応しましょう。
●行動と人格を分ける
「その行動は良くないね」と行動を叱っても、「あなたは大切な子だよ」と人格は肯定します。「〇〇ちゃんのことは大好きだよ。でも今の叩く行動はダメだよ」というように、セットで伝えます。
●短く、具体的に、繰り返し伝える
長い説教は逆効果です。「叩かない」「次は言葉で伝えようね」と短く具体的に伝え、できたときにはすぐに褒めます。これを何度も繰り返すことで、少しずつ学習していきます。
●予測可能な環境を作る
試し行動の背景には「何が起こるかわからない」という不安があります。一日の流れを伝える、約束は必ず守る、ルールを一貫させることで、予測可能な安心できる環境を作ります。
●「今日も明日も一緒だよ」というメッセージを伝える
「悪いことをしても見捨てない」「明日もここにいるよ」というメッセージを、言葉と態度で伝え続けます。即効性はありませんが、数ヶ月〜数年の時間をかけて、少しずつ信頼が育ちます。
恋愛での対応は、境界線を引きながら安心感を与える
大人の恋愛関係での試し行動には、「境界線の設定」と「安心の提供」の両方が必要です。

●境界線を明確にする
試し行動を無制限に受け入れると、関係が破綻します。
「連絡を無視されるのは辛い」「嫉妬を煽るような言動はやめてほしい」と、自分の境界線を穏やかに、しかし明確に伝えます。
●安心行動を増やす
境界線を引くだけでなく、相手の不安を減らす「安心行動」を意識的に増やします。
たとえば、出かける前に「〇時に帰るね」と伝える、帰宅したら「ただいま」と一声かける、定期的に「大切だよ」と言葉にするなど、小さな安心の積み重ねが効果的です。
●試し行動に乗らない
「別れる?」と言われたときに「別れたくない」と必死に引き留めると、試し行動が強化されます。
「別れたくないよ。でも、こうやって試すようなやり方は辛い。どうしたら安心できるか一緒に考えよう」と、冷静に対応します。
●パターンを指摘し、一緒に考える
「最近、何か不安なことがあると連絡を遅らせることが多いよね。直接『不安』って伝えてくれたほうが、僕も対応できるよ」と、パターンを優しく指摘します。
試し行動以外の方法で安心を得られることを一緒に探します。
●専門家の助けを借りる
試し行動が激しく、関係が疲弊している場合は、カップルカウンセリングや個人のセラピーを提案します。第三者の助けを借りることで、より健全なコミュニケーション方法を学べます。
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