【帰省ブルー】実家に帰りたくない!"40代、50代になっても親が嫌い"…どう切り抜ける? (1/2)
年末年始やお盆が近づくと、憂鬱な気分になっていませんか?
SNSでは「実家に帰るのが楽しみ」という投稿を見かけるのに、自分だけが実家への帰省を負担に感じているようで、罪悪感を抱いていないでしょうか。
40代、50代になっても親との関係が改善せず、むしろ年齢を重ねるごとに帰省のストレスが増しているという方は少なくありません。「もう大人なのに親が嫌いなんて」と自分を責める必要はありません。実家への帰省が苦痛なのには、正当な理由があるのです。
「帰省ブルー」の正体を紐解いてみましょう。今回監修いただいたAGO global株式会社の湯山 卓先生も、帰省に悩む一人。どう対処すればいいか、また「帰省しない」という選択への罪悪感を軽くする考え方を、実体験も交えながらお伝えします。
実家に帰るのが憂うつ「帰省ブルー」の正体とは
帰省ブルーとは何か
帰省ブルーとは、実家への帰省が近づくにつれて感じる憂鬱感、不安感、ストレスのことを指します。
「マリッジブルー」や「マタニティブルー」と同様に、本来喜ばしいはずの出来事が精神的負担になる状態です。
この感情は決して珍しいものではありません。とくに40代、50代になると、親の老いや介護の問題、きょうだい間の関係、自分自身の人生の選択への干渉など、複雑な要因が絡み合い、帰省ブルーが深刻化する傾向があります。
重要なのは、帰省ブルーは「わがまま」でも「親不孝」でもなく、心身からの正当なSOSサインであるということです。

よくある"帰省ブルー"5パターン
帰省ブルーの背景には、さまざまなパターンがあります。あなたの状況と重なるものがあるか確認してみてください。
パターン1 「まだ結婚しないの」価値観の押し付けと干渉
「まだ結婚しないのか」「孫の顔が見たい」「その仕事はいつまで続けるの」。
親が高齢になるにつれて「あと何年生きられるか分からないから」という言葉とともに、干渉がエスカレートすることもあります。
離婚や未婚、キャリア選択、子どもの教育方針など、自分の人生の選択を否定され続けることで、実家に帰るたびに自己肯定感が削られていく感覚を味わうことも。
パターン2 「お兄ちゃんは大企業に勤めてるのに」きょうだい間の比較
「お姉ちゃんは結婚して孫もいるのに」「弟は大企業に勤めているのに」といった比較は、何歳になっても心に刺さります。
幼少期から続く不平等な扱いが、大人になった今も変わらず、実家に帰るたびに子ども時代の傷が再び開くように感じます。
また、介護や実家の管理といった責任が特定のきょうだいに偏る不公平さも、帰省を憂鬱にする大きな要因です。
パターン3 「いつまでも未熟な子ども扱い」役割を固定化される
実家に帰った瞬間、まるで時間が巻き戻ったかのように、子ども時代の「役割」に戻されてしまう感覚はないでしょうか。
社会では責任あるポジションにいても、実家では「いつまでも子ども扱い」されたり、「家事をやって当然」と期待されたりします。
40代、50代になり、自分自身も親世代に近づいているにもかかわらず、親は相変わらず上から目線で指示を出してきます。この「タイムスリップ現象」が、強いストレスを生み出すのです。
パターン4 介護問題への不安と負担
親が高齢になるにつれて、介護や健康管理の話題が避けられなくなります。誰が親の面倒を見るのか、費用はどうするのか、施設はどうするのか。
こうした重い話題が、帰省のたびに浮上します。
きょうだい間で意見が分かれる場合や、自分だけが負担を押し付けられる場合、帰省は単なる家族団らんではなく、「今後の負担を押し付けられることを再確認する場」となり、強い憂鬱感を引き起こします。
パターン5 過去のトラウマの再体験
幼少期に虐待、ネグレクト、過度な管理、感情的虐待などを受けた場合、実家に帰ること自体がトラウマを再体験する引き金になります。
「もう何十年も前のこと」と頭では分かっていても、身体と心は正直に反応します。このタイプの帰省ブルーは深刻で、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に近い症状が出ることもあります。
一体何なの!? 帰省ブルーの正体とは
帰省ブルーの本質は、「自分らしくいられない環境への拒否反応」です。
日常生活では自立した大人として尊重されているのに、実家では否定され、コントロールされ、決定権のない子ども扱いされる。この落差が大きなストレスを生み出します。
心理学的には、「自己一貫性」と呼ばれる心理です。自分が構築してきたアイデンティティが、実家という環境で崩されることへの防衛反応なのです。

また、40代、50代という年齢特有の要因もあります。
自分自身の人生の折り返し地点に立ち、親の老いと向き合い、介護という現実的な問題が目前に迫る中で、「親子関係を修復しなければ」というプレッシャーと、「今さら関係は変わらない」という諦めの間で揺れ動きます。
さらに、この年代は自分の子どもの独立や、仕事でのキャリアの転換期とも重なり、アイデンティティの再構築を迫られる時期です。
そんな中で、実家という「過去の自分」を突きつけられる場所への帰省は、心理的負担が特に大きくなるのです。
帰省ブルーは、あなたの心が「これ以上負担を感じたくない」と発しているサインです。この感情を否定する必要はありません。
次:どう切り抜ける!? 帰省ブルー5つの対処法

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