心療内科医が教える「こなすだけの毎日」から抜け出す方法3つ ─脳を“快”で満たしてやる気と幸福感を取り戻す (1/3)
仕事も生活もきちんと回っている。トレーニングも続けている。それなのに「心が満たされない」と感じることはありませんか。以前は楽しかったことにも心が動かない。休んでも疲れが抜けない。そんな感覚を抱えている人は、実は少なくありません。それは「頑張り不足」ではなく、脳が“快”を感じる時間を失っているサインかもしれません。
心療内科医の横倉恒雄先生は、現代人の意欲低下の根本に「脳が喜ぶ“快”の不足」があると指摘します。身体は動かしていても、脳が本当に喜ぶ感覚体験が不足している——だから、やる気も幸福感も湧いてこないのです。
では、なぜ現代人は“快”を感じにくくなっているのでしょうか。 そして脳は、どうすれば本来の働きを取り戻せるのでしょうか。横倉先生に、そのメカニズムと日常でできるシンプルな習慣について話を聞きました。
意欲が出ない、無気力が続く…原因は「脳の快不足」だった

現代社会で私たちは、仕事、家庭、社会的な責任など、さまざまな役割を担って生きています。「こうあるべき」「これをやらなければ」と自分に言い聞かせながら行動するうちに、人は知らないうちに“役割の鎧”を身にまとってしまうのです(横倉先生)。
この“役割の鎧”とは、社会生活を送るうえで必要な思考や責任感のこと。仕事では責任ある立場として振る舞い、家庭では家族としての役割を果たす——どれも欠かせないものです。 しかし、この状態が長く続くと、脳は常に緊張し、休む間を失ってしまいます。
さらに現代の生活は効率重視になりがちです。 「食事を急いで済ませる」「スマートフォンを見ながら休憩する」「景色を見ずに移動する」。 こうした“ながら行動”が続くと、五感を使う機会が減り、脳にとって大切な刺激が届きにくくなります。五感からの刺激が減ると、脳は回復のタイミングをつかめません。
「脳は喜びや心地よさを感じることで回復します。ところが、感覚を使わない生活が続くと、脳は疲れたままになってしまうのです。その結果、意欲の低下や無感動、空虚感といった状態が生まれることがあります」(横倉先生)
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