なぜ体の左右バランスは崩れやすい?原因とチェック方法を解説 (2/3)
◆1か月間、右腕だけダンベルトレーニングを行った場合
1か月間にわたり、右腕だけダンベルトレーニングを行ったとします。左腕に比べて、右腕は見てわかるほど太く発達するでしょう。筋肉というものは、使わなければそれだけ弱っていきます。私は過去に骨折し、左腕だけ数か月ギブスをつけて生活したことがありました。いざギブスを外してみると、先に挙げたように右腕だけトレーニングしたわけでもないのに、左腕は細くて弱々しい姿に変化していたのです。日常生活のちょっとした運動でさえ、筋肉量の増減を大きく左右していることが分かります。
◆運動のパフォーマンスにも影響を与える
左右どちらかだけ筋肉が肥大化すれば、バランスが悪い体型になってしまいます。しかし、それだけではありません。いざ左右一緒に動そうとしたとき、このバランスの崩れは驚くほど運動に影響を与えるでしょう。
簡単な動きとして、その場ジャンプがあります。ただまっすぐに立ち、しゃがんで、そこから思いきり両腕を振り上げてジャンプしてみてください。通常であればまっすぐジャンプするわけですから、また同じ位置に戻ってくるはずです。しかし左右の筋肉量が違っていると、筋肉量の多い方の腕に引っ張られる、あるいは筋肉量の多い足の踏み切りに押される形で、着地位置がズレてしまいます。
つまり、右腕が強い場合は右に引っ張られるため、着地位置も右にズレるということ。筋肉量が異なるために、“まっすぐ跳ぶ”ということすら難しくなってしまうわけです。
◆ランニングや水泳のフォームにも影響する
ランニングや水泳なら、どうなるでしょうか。走っている際、腕振りの大きさがまったく違うランナーがたくさん見られます。とくに肩甲骨まわりが硬くて腕が横振り(後ろに引けない)になっている場合、右側ばかり大きく振っていると、体がそのまま引っ張られて右に動きます。つまり、前に進みたいはずなのに、横に推進力が発生してしまうのです。これは、効率的なランニングフォームとはいえないでしょう。
さらにこの場合、左に比べて右に働く力が大きいため、着地した際に体を支える右足には、左足より多くの負担が生じます。その結果、右足ばかり疲労しやすくなり、場合によっては怪我しかねません。