瞬発力・持久力・柔軟性を高めるために大切な栄養素とは?スポーツ食事指導の専門家に聞いた (2/2)
柔軟性を高めるために大切な栄養素
柔軟性と栄養素の関係も聞いてみました。
「体を柔らかくする栄養素というのは特にありません。お酢を飲むと柔らかくなるのも迷信です(笑)」(盛岡さん)
なんと、そうだったんですか。
「柔軟性を求めるのには、いくつか理由がありますよね。たとえば、怪我をしにくい体にしたいとか、足がつらないようにしたいとか。怪我の予防という観点からは、ミネラルを摂ることが大事です。また、カルシウムやマグネシウムの不足は、神経の刺激伝達や筋肉の収縮に関わっていて、足がつる原因のひとつとされています」(盛岡さん)
特に、マラソンでは汗をかくことで、カルシウムが体外に多く排出されるようです。
「マラソンは疲労骨折が起きやすいので、骨を丈夫にするためにも普段からカルシウムはたくさん摂りましょう。普通の成人男性は1日あたり600mg必要ですが、スポーツ選手は1000mg以上摂った方がいいと言われています」(盛岡さん)
確かに、どんなスポーツをするにしても怪我の予防はとても大事なこと。糖質やタンパク質に注目しがちですが、それ以外の栄養素だって重要な役割を担っているわけです。では、実際にスポーツをする上で、必要な栄養素を摂るためには、どんな食材やメニューがいいのか? 後編ではもう少し具体的な話を伺います。
[監修者プロフィール]
盛岡良行(もりおか・よしゆき)
管理栄養士、健康運動指導士。株式会社アストリション代表。健康食品のメーカーを経て独立し、現在は野球の北信越BCリーグ「福井ミラクルエレファンツ」の栄養サポートや、学校でのスポーツ栄養セミナー、スポーツジム利用者への食事指導などを行っている
【公式HP】https://athtrition.com/
(初出:2017年7月13日)
<Text:青山祐輔(H14)/Photo:Getty Images>