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お風呂に入れば睡眠の質も上がる。疲れたカラダに効果的な入浴法をお風呂博士に聞いてみた(前編)

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 スポーツ後の筋肉疲労や全身の疲れ、ちゃんとケアしていますか? 汗を流すために、とりあえずシャワーを浴びて済ませていませんか?

 心身ともにリラックスし、疲労回復をサポートしてくれるお風呂。あったかい湯に浸かって思わず出る「あ〜、極楽、極楽」というつぶやきは今も昔も変わりません。スポーツ後のボディケアのみならず、1日の疲れをリセットして翌日の元気をチャージするためにもお風呂で湯に浸かることは、科学的にも実証された理にかなったことなのです。

 そこで、1897(明治30)年に日本初の入浴剤を発売した老舗メーカー、株式会社バスクリンにお風呂と疲労回復の関係や、スポーツをする人におすすめの入浴剤について聞いてきました。

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バスクリンのお風呂博士に聞く入浴と疲労回復の関係

 お風呂博士として各地で入浴・睡眠に関する講演を行い、TV・ラジオ出演のほか『お風呂の達人』など多数の著書があるバスクリン広報責任者の石川泰弘さんにお話を伺いました。石川さんは、スポーツ健康科学の博士号を持つ本物の博士でもあります。

 疲労回復には基本的に血液循環をよくすることがとても重要で、お風呂で湯に浸かることは肉体だけではなくメンタル面にもよい影響を与えるので、非常に健康につながってくると石川さん。スポーツやトレーニングで疲れたからサッとシャワーを浴びてすぐに寝たい! というときこそお風呂でぬるめの湯に浸かることが大切なのだとか。

「湯に浸かると、水圧で滞留している足などの血に圧がグッとかかって上にあがってきます。さらに水中では肺の容量も減るのでその分酸素を取り入れなきゃならなくなる。肺は空気を多く取り入れないともとのサイズに戻らないので、空気を取り入れることにあわせて心臓もよく動いて血が流れます。お風呂に入って湯に浸かると、こういうふうに血行が促進され、血液循環がよくなり疲労回復に役立つわけですね。また、湯に浸かると浮力による筋肉が弛緩されカラダが緩み、ぬるめの湯なら副交感神経が優位になってリラックスします。リラックスしないと疲労の回復はないので、疲れたなという日はぬるめで自分が『心地よい』と感じる温度の湯に入ることをおすすめします。体温よりちょっと高い38〜39度ぐらいですね」

 血液で運んでいるものには栄養があり、栄養がちゃんと行き渡らないとエネルギーが作れない状況に。さらに血液中はヘモグロビンとくっついている酸素も運んでいます。エネルギーを作るにはこれらが必要で、そういう意味でも血液循環をよくすることは疲労回復物質をカラダ中にめぐらせることになるのだそうです。

「夜ちゃんとお風呂に入ると体温があがって、あがった体温は必ず下がります。人間は体温が下がってくると眠くなるんですよ。お風呂に入ると血管も拡張するので熱放散もしやすくなります。あがった体温がスーッと下がる。お風呂に入ると疲れがとれるっていうのは、その後の眠りもよくなるからなんですね。だから眠りの質もあがりますよ」

疲労回復に効果的な入浴3ヵ条!

 入浴と疲労回復の関係が分かったところで、より効果的にお風呂に入る方法はあるのでしょうか。日本のアスリートだけじゃなく、入浴は海外のアスリートのリカバリーメニューにもあるとのこと。私たちが普通に入っているお風呂の入り方と違うの?

「アスリートのリカバリーメニューでは、冷たい水と温かい湯に交互に入る交代浴などがありますが、水道レベルでは意味がなくて15度とか13度ぐらいのかなり冷たい水に入らないとならない。家庭のお風呂でそれをやるのは難しいし、交代浴って意外と昔からあるメニューですが、本当にいいかっていうと、実はまだよく分かっていないんですね」

 石川さん自ら交代浴を実験したそうで、15〜13度の水は身の危険を感じてしまうような冷たさだったとか。このような冷たい水に入ると、人間は自分の身体を守るために血液をぐーっと上に持ってきて体温を下げまいとするので血液が増え、皮下組織全体に血液を回します。そうすると筋肉の中に血液がしっかり入ってくることから疲労回復に効果があるのだとか。これはもはや生体防御反応で、血液循環としてはかなりハードです。

「トップアスリートは我々とはカラダの鍛え方が違うので、一般の人には交代浴をおすすめはしません(笑)。日常的な疲れなら、そんなことしなくてもいい。ただ、しっかり血液循環させるためにお風呂で湯に浸かって、1日1回は体温を上げて血行を促進する、リラックスするというのが大切です。時間は15分も浸かれば十分。遅く帰宅した夜ならカラダを洗わなくても、湯に浸かって軽くでも血液循環させて寝たほうが結果、疲れがとれますから」

 お風呂に入るタイミングとしては、寝る2時間前には入浴することがよく、食事の前か後かでは、栄養を循環させるという意味で先に食べて落ち着いてから入るのが望ましいとか。しかし、入浴によって血液循環はよくなっているので、お風呂の後に夕食を食べても大丈夫ですとも。いちばんいけないのは、食事を食べないとか時間がバラバラなこと。

「食事もお風呂に入るのも規則正しい生活を送るっていう、最終的にはそこになっちゃうんですが、疲れをとって健康でいるためにはそうなんですね。よくお風呂に入らない(シャワーだけ)って人は忙しいからと言うけど、湯に浸かってる時間なんてせいぜい15分ですよ。その15分が作れないなんてことはないと思うんです」

《疲労回復のための入浴3ヶ条》
・お風呂に入って1日のうち1回は体温を上げる
・ぬるめのお湯に15分ほど浸かってリラックス&血液循環
・就寝2時間前には入って、ちゃんと食事は摂る

 以上の3つと、そしてもちろん、毎日入るほうがいいとも。「だって、疲れって毎日とらなきゃ。それがたまっていくのはぜんぜんよくない」と石川さん。運動後にスポーツジム・クラブなどのシャワーで汗を流しても血液循環はよくならないし体温も上がらないので、帰宅後は湯に浸かるだけでいいのでお風呂に入るのもポイントとのことでした。

入浴を面倒に思わないためのコツ

  サッと浴びられて手軽で便利なシャワーに慣れてしまうと、お風呂を湧かして湯に浸かることがどうしても面倒になってしまうのも正直なところ。

「お風呂に入る意識として、1日の終わりにお風呂に入るっていう意識と、明日のためにお風呂に入るっていう意識、その意識をどう持つかっていうことではないかなって思います。1日は、その前日の夜のお風呂からスタートしているって考えるとよいですね。寝て起きてではなく、お風呂に入るところから1日がスタートしていると。仕事が終わって帰宅してお風呂に入る前で今日は終わり。そこから次のことを考えてやるっていうことじゃないかな」

 さすが、お風呂博士! 1日のリセット&翌日のスタートのタイミングをお風呂で区切ってしまうなんて。目覚めたときのカラダに感じる疲労感は、入浴でよい眠りをとったかとらなかったによって断然違いが出るそう。石川さんはオリンピック代表選手たちにも入浴指導をしていて、レクチャーを受けたアスリートたちから「シャワーで済ませず、毎日お風呂に入るようにした」という声を多く聞いたとか。

「帰宅が遅い日は“ちょぼん”と湯に浸かって、最後湯なら湯の中でちょこっと手でこすればカラダの汚れなんか落ちちゃう。髪を洗うなら、朝シャワーを浴びればいいですから」

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→後編へ続く
スポーツ後の疲労回復をサポートしてくれる「スポーツをする人におすすめの入浴剤」の種類と効果を、引続きお風呂博士・石川さんに聞きます! 

[プロフィール]
石川泰弘(いしかわ・やすひろ)
株式会社バスクリン販売管理部販売促進課マネージャー広報責任者。博士(スポーツ健康科学)。温泉入浴指導員や睡眠改善インストラクターの資格を持ち、“お風呂博士”としてTVやラジオ、雑誌などに数多く登場。健康・スポーツとお風呂の関係や、効果的な入浴法などについて学校や自治体、他企業など全国各地で講演会も行なっている。サッカー好きで週末ランナーというスポーツ愛好家。著書に『バスクリン社員が教える究極の入浴術 お風呂の達人』(草思社)、『バスクリン社員が教える おうちでバスタイム』(ネコ・パブリッシング)、『バスクリン社員がそっと教える肌も腸も健康美人になる入浴術26』(スタンダードマガジン社)ほか共著、監修も多数
【バスクリン公式HP】https://www.bathclin.co.jp/

<Text & Photo:京澤洋子(アート・サプライ)>

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