【男女1000人に調査】免疫力のために食べているもの。「納豆」、「肉・魚・卵」を抑えたトップ1位は? (2/3)
ビタミン、ミネラルは生野菜で摂る……は、むしろ間違い?
ビタミンや酵素を摂るために生野菜で食べる方は多いかもしれません。しかし、実は免疫力向上には野菜スープにするのがおすすめ。しかもできる限り皮や葉ごと使うのがポイントだそうです。
野菜の皮や葉には、植物が紫外線や有害物質、害虫などの害から身を守るために作り出した機能性成分(色素や香り、アク、辛味など)である「ファイトケミカル」がたっぷり含まれており、抗酸化作用による老化予防が期待できるほか、代謝の促進、免疫力向上、脳機能の強化など、種類によって多様な働きがあると言われています。
たとえば「アントシアニン」「カテキン」「リコピン」などもファイトケミカルに含まれます。
ファイトケミカルは細胞壁にしっかり守られていますが、煮込むことでスープの中にファイトケミカルが浸み出してきます。そのため、皮や葉ごと使った野菜スープが適切というわけです。
免疫力向上をサポートする「リコピン」や「ビタミンA」は油と一緒に
ちなみにトマトに含まれる「リコピン」や、ニンジンなどに多く含まれる「ビタミンA」は、油と調理することで吸収率がアップします。使う油としては、リーブオイル、アマニ油、エゴマ油、魚油などがおすすめです。サラダ油はリノール酸を含んでおり、体内に入ると炎症を誘発するアラキドン酸に変化します。炎症を起こすと免疫力が低下するため、注意が必要です。
ニンニクは細かく刻むとさらによし
免疫力向上によさそうなニンニクですが、丸ごと焼いて食べる方法はややもったいない。ニンニクは免疫機能の維持に役立つ「ビタミンB6」を豊富に含んでおり、細かく刻むことでアリシンという成分になります。このアリシンはビタミンB1と結合し、免疫機能を正常に維持するのに役立つビタミンB6の働きを高めてくれるのです。
アリシンは疲労回復、殺菌、強壮作用などのはたらきも期待できるため、疲れたときにニンニクを食べる際も刻んだりすりおろして食べるのがよさそうですね。
積極的に摂りたい栄養素は「食物繊維」
「逆に、より意識してほしいのが、善玉菌のエサとなり免疫力向上にも直結する食物繊維を摂取することの習慣化。日常的に食べる主食を白米から玄米や胚芽米にしてみる、オートミールや雑穀もメニューに取り入れてみるなどの工夫や、キノコ、ワカメ、ユーグレナといった海藻類を毎日摂る習慣を心がけて欲しいです。実は、ユーグレナはワカメや昆布と同じ藻の仲間なんです。そして、このユーグレナには、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素も含まれているんです」(日比野先生)
腸内環境を整えるために、発酵食品だけでなく食物繊維の摂取も大事です。食物繊維を多く含んだ食品としては、ごぼう、さつまいも、こんにゃく、やまいも、大麦、オーツ麦、玄米、枝豆、海藻類、きのこ類などが挙げられます。
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日本人の平均食物繊維摂取量は年々低下しています。厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の1日あたりにおける食物繊維の摂取目標量をみると、成人男性では21g、成人女性では18gですが、最近の報告によると、平均摂取量は1日あたり14g前後。男女ともに不足しているため、意識して摂取する必要がありそうですね。
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どうしても食べ物から摂取しにくい人は、トクホのお茶にも含まれる「難消化性デキストリン」のパウダーを飲み物に混ぜるなども方法のひとつでしょう。
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