大豆ミートってどんな食べ物?代替肉って大丈夫?プラントベース食品のあれこれを管理栄養士に聞いてみた (1/2)
認知度が拡大しているプラントベース市場。海外では食の多様性とSDGs意識の高まりも手伝い、多くのプラントベース食品が出回るようになりました。
日本でもネクストミーツをはじめとしたフードテックベンチャーや、不二製油、カゴメ、大塚製薬など大手企業も植物性の代替肉を展開するようになってきています。
また、スターバックス、やよい軒や焼肉ライクといった飲食店でも、プラントベースメニューを取り扱うように。やがてくるたんぱく質危機や環境保全、食糧難に備えて、今後もプラントベース市場は拡大していくと予想されます。
プラントベースと一言でいっても、代替肉、フェイクミート、ソイミートなどさまざまな名称があります。今回はもっとも知名度が高い「大豆ミート」を軸として、プラントベースとはなにか、なぜ注目を集めているのか、また大豆ミートの栄養やメリットなど、細かな角度から見ていきます。
解説は、ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんです。
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大豆ミートってどんな食べ物?
大豆ミートとは、油分などを絞った大豆を加工し、お肉の食感や形状さながらに再現された食品のことです。
お肉のように調理することが可能ですが、あくまでも植物(大豆)が原料となり、お肉の代用(いわゆる「代替肉」)として利用される場面が多いです。
大豆ミートにはさまざまな形状がある
現在、大豆ミートは未加工の状態または加工済(味つけ済)の状態で販売されており、さらに細かく分類すると乾物・冷凍・冷蔵・レトルトなどに分けられます。
未加工(乾燥)の状態を水戻ししただけの状態で食べるケースはないと思いますが、この時点では大豆の風味が残ってはいるものの、お肉に近い食感をしているのが特徴です。
また、大豆ミートは商品により「フィレ」「ミンチ」「ブロック」などさまざまな形状をしています。水戻ししてからの加工工程や味付け方法にもよりますが、たとえばミンチタイプを使用して作られたハンバーグやキーマカレーなどは、その他の具材などで香り高い食材をうまく活用することで、大豆特有の香りもマスキングされ、食感も本物のお肉と見分けがつかないレベルで楽しめるかと思います。
なぜ最近、大豆ミートやプラントベースフードが注目を集めているのか
大豆ミートが注目されはじめた背景として、SDGs(環境問題、食糧問題、食の多様性など)への関心の高まりや、商品自体の味・バリエーションの増加などが挙げられるでしょう。
現状の人口増加ペースに対して今の延長にある食肉(タンパク質)供給が追いつかなくなる、いわゆる「タンパク質クライシス」にも取り組めるのではという見方も注目のきっかけとなっています。
また、プラントベースに焦点を当てたドキュメンタリー作品がネット配信されたことや世界的なモデル・有名人も自らの食生活にプラントベースの食事を取り入れる方が増えたことで、一般層にも認知が広がったのも要因のひとつと考えられます。
数年前と比べて食品メーカー各社で研究・開発が進み、さらにプラントベースの食品を取り扱う飲食店やスーパーなども徐々に増えています。このとから、今後もさらにプラントベースの食事を取り入れやすい環境が拡充していくのではないかと予想されます。
大豆ミートのメリットとは
普通のお肉と比較した場合の大豆ミートを食べるメリットは「植物由来の栄養価が摂れる」「環境や食糧問題に取り組むことができる」「乾物の場合、長期保管が可能である」などです。
大豆ミートの製品は、一般的なお肉と比べてエネルギーや脂質がかなり抑えられるのが特徴です。また、食物繊維もふくまれているため、日ごろ野菜不足や腸内環境についてお悩みがある方は取り入れてみてもいいかも知れません。
上記の理由から、ダイエット中の方であれば普段食べているお肉を大豆ミートに置き換えることで、カロリーダウンにつながりやすくなります。
筋トレ(タンパク質摂取)の観点で言うと、お肉や魚、卵など動物性のタンパク質摂取が苦手な方や、体質的に食べられない方には救世主となる存在でしょう。
ただし、量あたりのタンパク質含有量はお肉に比べて低いので、大豆ミート以外の植物性タンパク質もうまく利用してくださいね。
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