足がつりやすい人の特徴とは。どんな人が「よく足をつる」のか。病気の危険サインは? (1/3)
足がつるとは、ふくらはぎや足の甲、指などの筋肉が痙攣し、強い痛みを伴う現象のことです。とくに夜間や激しい運動後、または冷えた環境下で起こりやすいのが特徴です。
一時的な足のつりであれば、多くの場合は自然に治まりますが、頻繁に繰り返される場合や長時間痛みが続く場合は、健康上の問題が隠れている可能性があります。
「なぜ足がつるのか」「つりやすい体質とはどんな特徴があるのか」、その原因や対策についてお届けします。監修は、公立学校共済組合関東中央病院 心臓血管外科部長で二子玉川女性のクリニック下肢静脈瘤担当の佐賀俊文先生です。
こんな人は足がつりやすい! 足をよくつる人の特徴
足がつりやすい人には、いくつかの共通する特徴があります。
- 筋肉疲労が溜まりやすい人(ランナーやハードなトレーニングをする人)
- 水分不足やミネラル不足の傾向がある人(とくにマグネシウム、カリウム不足)
- 長時間同じ姿勢を取りがちな人(デスクワーク、立ち仕事)
- 下肢静脈瘤を発症している人
- 運動不足による筋力低下
- 偏った食生活をしている人(塩分不足、または摂り過ぎ、)
- 血行不良がある人(冷え性、糖尿病、高血圧など)
- 妊娠中の女性や加齢による影響
当てはまっているかもと感じた人はいるでしょうか。もう少し具体的に解説していきます。
なぜ足がつりやすくなるのか? 原因とは
足がつる根本的な原因には、以下の要因が挙げられます。
筋肉や神経の異常
筋肉は神経から送られる電気信号によって収縮や弛緩を繰り返します。しかし、この神経信号がうまく働かないと、筋肉が必要以上に収縮し、その結果として「足がつる」状態になります。
電解質のバランスが崩れている
カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラルは、筋肉や神経の働きを調整します。これらが不足すると、筋肉が正常に動かなくなり、痙攣が起こります。
血行不良
長時間同じ姿勢でいることや冷えは、筋肉への酸素や栄養の供給を妨げ、足がつるリスクを高めます。
脱水症状
汗をかいた後や水分摂取が少ない場合、血液の循環が悪化し、筋肉の痙攣を引き起こすことがあります。
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)
本来心臓に環流する血液が、血管の緩みが原因で下肢の静脈に血液が溜まってしまう病気です。
足を見ると膝から下にボコボコと皮膚が盛り上がるほどの血管があるのが特徴です。遺伝や立ち仕事、妊娠などが原因として挙げられます。
食事療法や薬では治療は困難なため、専門の医療機関を受診する必要があります。
次:足がつりやすい人のための予防策(食事編)