
よく足がつるのは「心筋梗塞の前兆」ってホント?医師が解説
夜中や運動中によく足がつることはありませんか? 単なる疲労や水分不足と思われがちな「足のつり」ですが、一部では「心筋梗塞の前兆かもしれない」という記事が見られることがあります。はたして本当なのでしょうか?
足がつる原因はたくさんありますが、この記事では「足のつり」と「心筋梗塞」の関連性について探っていきます。監修は日本内科認定医・日本循環専門医で健康塾クリニック院長・鳥越勝行先生です。
心筋梗塞の前兆でもっとも多い症状とは
心筋梗塞の前兆としてもっとも多く報告されるのは、胸の痛みや圧迫感です。
「胸が締め付けられる」「重いものを押し付けられる」ような感覚と表現されることも。痛みは胸だけでなく、首、肩、腕、背中、顎に広がることもあります。
その他の代表的な前兆症状としては、以下があります。
- 安静時にも息切れや呼吸困難が起きる
- 冷や汗や吐き気
- 原因に覚えがない、極度の疲労感や倦怠感
複数の症状が同時に現れる場合は、すぐに救急対応をすることが重要です。
心筋梗塞の前兆に「足がつる」はあり得る?
心筋梗塞の前兆に「足がつる」は、通常はありません。しかし、心血管系疾患のリスクが隠れている可能性は否定できません。
閉塞性動脈硬化症
動脈硬化により下肢の血管の血流が低下し、数百メートル歩くと痛みがでます。この疾患では虚血性心疾患を合併していることが多いです。心筋梗塞を発症するリスクがあると言えます。
心不全
高齢の方や重度の糖尿病の方は、胸痛のエピソードなく、心筋梗塞を発症していることがあります。
心筋梗塞により心機能が低下すると心不全になります。心不全は心臓のポンプ機能が低下する病態なので、下肢の浮腫みが生じます。
たとえば、足がつるだけでなく、歩行時の痛み、浮腫がある場合はすぐに病院を受診しましょう。高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙などのリスクを持っている人はさらに要注意です。
監修者プロフィール
健康塾クリニック院長 鳥越勝行
日本内科認定医・日本循環専門医。健康塾クリニック院長。医師としてこれからも情熱を持って仕事をしていくために、大切なことを考えてきたときに、患者様が日常生活から健康的に楽しく生きていけるようにサポートしていきたいと思ったのです。地域の皆様が安心して生活できるように内科一般や小児科、発熱外来等の診療科を設けることはもちろん、日常生活における不安は何でも相談できる場所をつくりたいと考えました。医師として専門的なアドバイスは勿論、私自身が筋トレにずっと取り組んできたため最適な運動療法から食事療法まで日々の診療の中でお伝えし、健康づくりをサポートしていきたいと考えております。
公式サイト https://kenkoujuku-cl.com/
<Edit:編集部>