「なんでそうなる?」しゃべる内容がズレる人の思考回路とは (1/2)
「質問したのに、全然違う話が返ってきた」「途中から何の話をしているのかわからなくなった」そんな経験、一度はあるのではないでしょうか。悪気があるわけではないのに、なぜか話が噛み合わない人がいます。
会話の「ズレ」にはどんなパターンがあるのか、ズレる人の頭の中では何が起きているのか、そして自分自身のコミュニケーションを見直すためにできることとは。
保健師やメンタルヘルススペシャリストの資格を持つ株式会社TAYORI代表取締役・奥野実羽心さん監修のもとお届けします。
「話がズレる」と感じる会話にはいくつかパターンがある
会話のズレは一種類ではありません。よく見られるパターンを整理してみると、それぞれに異なる原因が隠れていることが見えてきます。
質問に対する答えがずれる
「明日の会議、何時からだっけ?」と聞いたら、「そういえば先週の会議もバタバタしてたよね」と返ってくる。
質問に対して直接の答えが来ない、あるいは関係のある話なのに核心が抜け落ちているのが「答えがズレる」パターンです。
このタイプの会話では、聞いた側は同じ質問を繰り返さなければならず、やりとりの効率が悪くなります。また、「ちゃんと聞いてくれていない」という印象を相手に与えやすく、信頼関係にも少しずつ影響が出てくることがあります。
途中で論点が飛ぶ
話している最中に、気づいたら全然別の話題になっている「論点が飛ぶ」パターン。たとえばプロジェクトの進行について話し合っていたはずが、いつの間にか個人的なエピソードの話になっていたなどです。
話している本人の中では「つながっている」感覚があるのですが、聞いている側からすると文脈がつかめず、「今、何の話をしているんだろう」と置いてけぼりになります。
相手の知りたいことと、自分の話したいことが食い違う
相手が「結論」を求めているのに、こちらが「経緯」を丁寧に話し続ける。相手が「事実」を知りたがっているのに、こちらが「感想」を語り続ける。
情報の種類そのものがかみ合っていない状態です。
このパターンは、単なる「うっかり」ではなく、相手の立場や文脈への想像力の差が影響していることも多く、繰り返されるとコミュニケーションに深刻な行き違いを生むことがあります。
しゃべる内容がズレる人の頭の中では何が起きている?
会話がズレる人は、決して「話を聞いていない」わけではありません。むしろ、頭の中では懸命に情報を処理しているケースがほとんどです。では、何がすれ違いを生むのでしょうか。
「連想」が優先されている
人は話を聞きながら、関連する記憶やイメージを自動的に引き出します。この連想の動きが活発な人は、相手の言葉をきっかけに自分の思考がどんどん展開していきます。
「会議」と聞けば「先週の会議」→「あのとき困ったこと」→「そういえばあの話」と連想されていく。本人にとっては自然な流れなのですが、聞き手にはズレた返答として届きます。

「自分の文脈」に引き寄せている
会話の中で「自分が伝えたいこと」「自分が気になっていること」が先に頭を占領してしまうと、相手の質問よりも自分の関心事が優先されます。意識的なわけではなく、処理の優先順位が無意識に決まっている状態です。
「自分基準」で話を展開してしまう傾向が強い人ほど、このパターンに陥りやすいといえます。
「聞く」と「答える」が同時にできていない
話を聞きながら返答を考えるというマルチタスクは、実はかなり難しいことです。
相手の話をすべて受け取り切る前に返答モードに入ってしまうと、最後まで聞かずに「たぶんこういう話だろう」と先読みして答えてしまうことがあります。
この「早まった解釈」が、ズレた返答を生む原因になります。
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