「なんでそうなる?」しゃべる内容がズレる人の思考回路とは (2/2)
ワーキングメモリの容量が関係している場合も
会話では、直前に言われたことを頭の中に保持しながら、次の言葉を処理するという作業が同時に行われています。
この短期的な情報保持の容量(ワーキングメモリ)には個人差があり、容量が圧迫されると情報の一部を取りこぼしやすくなります。
脳の認知特性として、複数の情報を同時に処理するのが苦手なタイプの人もいますが、この「情報の保持と処理」に困難さが生じやすいことが知られています。
ただしこれは「努力不足」ではなく、情報処理のスタイルの違いとして理解することが大切です。

「相手が何を求めているか」の把握が難しい
会話では、言葉そのものだけでなく、相手の表情、声のトーン、文脈から「本当に知りたいこと」を読み取る必要があります。この「行間を読む力」に差があると、文字通りの受け取り方と相手の意図の間にギャップが生じます。
「なんでそこに反応するの?」という感覚は、この受け取り方の違いから来ていることが多いのです。
会話のズレを減らすためにはどうしたらいい?
「ズレる」側にいると気づいた人も、「ズレを感じる」側にいる人も、関係をより快適にするためにできることがあります。
ズレる側:「何を聞かれているか」を一度確認する習慣をつける
返答する前に、「相手が求めているのは事実か、感想か、アドバイスか」を意識する習慣を持つだけで、ズレは大幅に減ります。
答えが出てくる前に話し始める癖がある人は、一拍置いて「質問の核心は何か」を確認する時間をつくるだけでも変化が生まれます。
ズレる側:「結論から話す」を意識的に練習する
日本語の会話では、説明を先にして結論を後に持ってくる構成が多くなりがちです。しかし、相手が「答え」を知りたがっているときに「経緯」が長く続くと、不満やストレスが蓄積します。
「結論→理由→補足」という順で話す練習を積むことで、相手に伝わりやすいコミュニケーションに近づけます。
両方:話の「ゴール」を共有してから始める
質問をする側も意識すべきことがあります。「ちょっと相談があるんだけど」と切り出すとき、その相談が「ただ聞いてほしい」のか「一緒に解決策を考えてほしい」のかを最初に伝えるだけで、ゴールがそろいます。
これは自分が話す側のときも、聞く側のときも有効です。「今の話って、どう進めたい?」と穏やかに確認することで、ズレの発生を防げます。

ズレを感じる側:フィードバックを「評価」ではなく「確認」として伝える
ズレを感じたとき、「また話がズレてる」と判断するのではなく、「今、〇〇の話をしていたんだけど、それについてはどう思う?」と軌道修正する言い方が有効です。
相手を責めるのではなく、ゴールに戻る言葉を選ぶことで、関係を傷つけずに会話を整えられます。
ズレを感じる側:自分のパターンを振り返る
「なぜズレが起きやすいのか」を自分なりに分析してみることも助けになります。
連想が先走りやすいのか、相手の意図を読み取ることが難しいのか、返答の前に考える時間が足りないのか。原因によって、対策も変わります。
悪意はないので怒るより「把握と対策」が有効
会話のズレは、悪意から生まれるものではありません。思考の癖、処理のスタイル、情報の優先順位の違いが積み重なって起こるものです。
「どうしてわかってくれないんだろう」と感じていた関係も、互いの「頭の中の仕組み」を理解することで、少し楽になれることがあります。
コミュニケーションは一日で変わるものではありませんが、「気づく」ことが最初の一歩です。
監修者プロフィール
株式会社TAYORI
代表取締役 奥野実羽心
保有資格
看護師(国家資格)
保健師(国家資格・看護師の上位資格)
健康経営エキスパートアドバイザー(最上位資格・2年更新)
メンタルヘルススペシャリスト
マインドフルネスコンサルタント
第一種衛生管理者免許
片づけ収納スペシャリスト
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>









