2026年5月15日

男性ホルモンが減るとどうなる?男性更年期で現れやすい13の症状

40歳以降の男性は、だれでもなる可能性がある「男性更年期障害」。

「『なんとなく調子がおかしい状態が続く』『突然、汗やほてりがでてきた』そんなときは、病院を受診することをおすすめします」と言うのは、内科医の岡村 信良先生。

放置すると、「うつ」を発症することもある男性更年期障害について、詳しく教えてもらいました。

男性更年期障害になるとどんな症状が起きやすい?

岡村先生:「男性更年期障害」の症状は次のようなものが挙げられます。

・不安感が増して、気分が落ち込む
・イライラして、怒りっぽくなる
・集中力の低下
・判断力の低下
・記憶力の低下
・意欲の低下
・性欲の低下
・眠れない
・疲れやすい
・筋肉痛、関節痛
・肥満(メタボリックシンドローム)
・頻尿
・発汗、ほてり など

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「ホルモンの量」と「問診」で診断する

岡村先生:男性更年期障害は、男性ホルモンの量を調べたり、どんな症状がでているかを聞いたりして診断します。具体的には、血液検査(フリーテストステロンの値の検査)と、問診を通して診断します。

フリーテストステロンの値が基準未満(8.5pg/mL未満)だったり、更年期障害の症状の症状が強くでていると、「男性更年期障害」と診断されることが多いです。

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次:男性更年期障害は治るの?

男性更年期障害は治るの?

岡村先生:男性更年期障害の主な治療は「男性ホルモン補充」「生活指導」「お薬の処方」です。泌尿器科や内科で診療をしていることが多いです。事前にHPなどで対応しているか確認してください。

男性ホルモン補充療法

男性ホルモン(テストステロン製剤:エナント酸テストステロン)を注射で投与する治療方法です。直接、血液中に男性ホルモンを補填するので、即効性があります。1ヶ月に1回~2回程度、腕やお尻などに注射します。

ただし、テストステロンを注射することで、精巣機能が低下することがあるため、子どもを希望する場合は、テストステロンに替わる別のホルモンを注射することもあります。

また、ホルモン投与量が多すぎると、脳梗塞のリスクにつながることもあります。そのため、治療中は血液検査を定期的に行ないます。

生活指導

食生活、運動、睡眠、ストレス対策など、日常生活の観点から「症状改善につなげる方法」をアドバイス・指導します。

お薬の処方

症状が比較的軽いときは、飲み薬で治療もできます。症状に合わせて、漢方薬を処方することもあります。

治療にかかる費用は保険適用できる?

岡村先生:保険適用の場合、治療は数千円で済みます。ただし保険適用外の治療を希望する場合は、組み合わせる治療によって金額が異なります。

保険適用になるケース

医師に「男性更年期障害」と診断されて治療を受けた場合は保険適用です。保険適用の検査は1万円程度、その後治療に1ヶ月あたり数千円から2万円程度かかるのが目安です。

保険適用外になるケース

予防やアンチエイジングのために治療を行う場合は、保険適用外になります。また保険適用薬となっているエナント酸テストステロン以外の薬を使った場合も、自費になります。

次:男性更年期障害を改善するために日常でできること

男性更年期障害を改善するために日常でできること

岡村先生:男性更年期障害の症状を改善させるために、「筋トレ」「ストレス・疲れをためない」といったことを意識するとよいでしょう。

その1 筋トレで下半身を鍛える

ウォーキングなどの有酸素運動よりも、筋力トレーニングがより効果的です。腹筋や太ももの筋肉など、大きな筋肉を鍛えるようにしましょう。

大きな筋肉がある下半身を動かすと、男性ホルモンの分泌量が増えるといわれています。

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また、基礎体力をつけるためにも毎日の生活の中で、「1万歩以上歩く」「1駅分は歩く」と決めたり、ジョギングや水泳などを習慣的に取り入れるのもよいでしょう。

その2 ストレスや疲労をためない

すっきりと日々生活できるようなストレス発散方法を作りましょう。よく眠ることでストレス発散する人もいますし、趣味を楽しむ人もいます。

仕事や体の不調を忘れて、すっきりできる独自のストレス発散を行ってください。

男性更年期障害を放置すると「うつ」になるリスクも

岡村先生:長い期間、男性更年期障害のつらい症状を我慢していると、「うつ病」や「自律神経失調症」になってしまう人もいます。

おかしいなと感じたら、男性更年期障害を疑い、早めに治療を受けましょう。

男性ホルモンは「健康の大事な相棒」

岡村先生:男性ホルモンの減少は、様々な病気につながるという研究結果がでています。

たとえば、「うつ状態」「認知症」「糖尿病」「骨粗しょう症」「動脈硬化」などに影響するという報告や、「男性ホルモンの量が多い人ほど、長生きする傾向がある」という報告もあります。

男性ホルモンは男性にとって「健康の大事な相棒」です。生活改善をはじめ、時には病院を頼って、上手に付き合っていきましょう。

男性ホルモン「テストステロン」、もっとも高める方法は?筋トレか、食事か、生活習慣か

▼参考
一般社団法人日本内分泌学会 男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)

監修者プロフィール

岡村 信良(おかむら・のぶよし)先生

内科医。経歴:平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。