
若くても肝斑ができやすい人の特徴。シミとの見分け方、ケア方法を皮膚科医に聞いた
肌がくすんでいる、うっすらほっぺに灰色のモヤがかかっている。それは「肝斑(かんぱん)」かもしれません。
紫外線やホルモンバランスの影響で出てくる肝斑ですが、20代の若いうちから出る可能性もあると語るのは、皮膚科医の長谷川 佳子先生。
その原因と、肝斑とシミの見分け方、セルフケア方法についても聞きました。
肝斑は20代でもできるって本当?
長谷川先生:肝斑の発生が多いのは30代以降と言われていますが、20代のうちにできることもあります。
肝斑は、紫外線の影響などによる肌ダメージと、女性ホルモンのバランスの乱れが相まって発生します。そのため、ホルモンバランスの影響を受けやすい20~50代くらいまでの方なら、誰にでもできる可能性があります。
若くても肝斑ができやすい人
・紫外線を浴びる機会が多い
・日焼け止めを塗っていない
・マスクの着用で顔がこすれている
・スキンケアを行うときの力が強い
若いときに肝斑ができる原因は「ホルモン」と「紫外線」
長谷川先生:肝斑の一番の原因は、紫外線です。また、根底に女性ホルモンのバランスの乱れの影響もあります。
ホルモンバランスが乱れると、シミを排出する「メラノサイト」への脳からの指令が乱れます。すると常にメラニンを排出するようになり、機能に異常をきたします。
さらに、紫外線・摩擦などの皮膚への刺激が加わると、肝斑が濃くなります。
ホルモンバランスの乱れは、次の要因が考えられます。
・妊娠や出産
・ピルの服用
・ストレス/疲労
・無理なダイエット
「これは肝斑? シミ?」見分け方のポイント
長谷川先生:肝斑は、両方の頬に均等にできます。通常のシミは、左右対称にはできません。
肝斑のできかたには、次の3つのタイプがあります。「肝斑かも」と思う方は、ご自身の症状に合うものはないか、チェックしてみましょう。
タイプ1 蝶のようにもやっと広がった肝斑
肝斑の多くのは、こちらのタイプ「蝶のようにもやっと広がっっている」状態です。くっきりとした境界はわからず、全体的にぼやっとしたくすみのように見えます。
タイプ2 筆で描いたような肝斑
タイプ3 目尻に小さく広がった肝斑
肝斑を増やさないためにできること
長谷川先生:まずは、女性ホルモンのバランスを整えましょう。次のことを心がけるとよいでしょう。
・質の良い睡眠をとる
・栄養バランスの取れた食事をとる
・生理不順がある場合は、婦人科で相談する
・極端な食事制限など、ハードなダイエットは避ける
また、紫外線対策も徹底しましょう。日焼け止めは、毎日必ず塗ってください。日差しが強いときは、帽子をかぶるのもおすすめです。
スキンケアをゴシゴシ強い力で行うのは避けて、マスクの着脱はこすれないように気を付けましょう。
肝斑を薄くする成分は?
長谷川先生:肝斑は、肝斑用のサプリやシミ対策用の化粧品を使用することで、薄くなる可能性があります。
▼肝斑におすすめのサプリの成分
・トラネキサム酸…肌の炎症に伴う色素沈着を防ぐ
・Lシステイン…シミの原因となるメラニンの生成を抑制し、排出する
・ビタミンC…メラニンの定着を防ぐ
・ビタミンE…新陳代謝を活発にして、メラニンを排出する
▼肝斑におすすめの化粧品の成分
・ハイドロキノン…メラニンの黒色化を防ぎ、メラニンを生成するメラノサイトという細胞を減少させる
・ビタミンC誘導体…ターンオーバーを促進して、肌の生まれ変わりをサポートする
ただし、サプリや化粧品によるセルフケアでは、肝斑を完全になくすことは難しいです。しっかりと肝斑のケアを行いたい場合は、皮膚科で治療を受けるという選択肢もあります。
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監修・執筆者プロフィール
JUN CLINIC横浜
長谷川 佳子
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
<Edit:編集部>
※本記事は、mocobe(モコビ)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。