
「市販の育毛剤は効かない」説、ホントのところは?美容師に聞いた
市販の育毛剤は効かない。生えてこない、効果がない……よく聞くワードですが、本当に意味がないのでしょうか? 美容師の後藤淳子さんに聞きました。
Q.薄毛が気になるので市販の育毛剤を試そうと思っています。でも「効かない」という話もチラホラ…実際のところ効かないのでしょうか?
後藤さん:「市販の育毛剤=効かない」というわけではありません。市販の育毛剤には、頭皮環境を整え、薄毛を予防する作用があると考えられます。
しかし、毛を生やす作用のある「治療薬」ではないため、「毛が急に生えてくる」という変化は期待できません。そのため、「市販の育毛剤は効かない」というイメージを持っている人がいるのでしょう。
「育毛剤」と「発毛剤」の違いは?
● 育毛剤…髪が育ちやすい頭皮環境を整え、抜け毛を防ぐ
● 発毛剤…発毛作用がある有効成分「ミノキシジル」が配合されており、育毛を目指す
市販の育毛剤の主な働きとして、「髪にハリやコシを与える・頭皮のトラブルを防ぐ」などということが挙げられます。
頭皮のベタつきや乾燥が原因で薄毛が起きている、費用を抑えながら抜け毛のケアしたい、自宅でのケアを主としたいなどの人におすすめです。
市販の育毛剤に期待できることを、もう少し詳しく見ていきましょう。
働き1 髪にハリやコシを与える
育毛剤によって、頭皮や髪に栄養が補給されます。そのため、ハリやコシのある健康的な髪が生えやすくなると考えられます。
さらに、育毛剤塗布後にマッサージを行うことで、頭皮の血流が良くなる期待も持てます。その結果、毛を作る細胞へ栄養が効率よく運ばれ、薄毛予防にもつながるでしょう。
働き2 頭皮のトラブルを防ぐ
育毛剤によって、頭皮の乾燥などをケアできます。そのため、頭皮のかゆみ・フケなどのトラブルを防げるといった期待が持てるでしょう。
頭皮が清潔に保たれることで、髪の毛が健やかに育つ環境が整い、抜け毛を防ぎます。
Q.育毛剤を使ってどれくらいで変化を実感できますか?
後藤さん:市販の育毛剤の使用によって変化を感じるには、半年~1年ほど必要でしょう。
しかし、変化を感じる期間は個人差があります。スピーディーな変化が欲しい人は、育毛剤の使用に加えて、日常生活で髪の毛をいたわる習慣をつけると良いでしょう。
ちなみに育毛剤を使用し続けていた人が突然使用をやめると、頭皮環境が悪化しやすくなり、抜け毛が増えることがあります。
しかし、毛髪状況は、食生活・頭皮への刺激・加齢なども影響します。そのため、「使用をやめたら必ず抜け毛が増える」ということではありません。
Q.育毛剤の効果をきちんと出すために、どんなことを意識するとよいでしょうか。
後藤さん:市販の育毛剤を使用する場合、以下手順での使用がおすすめです。
1. 髪や頭皮の汚れを落とす
育毛剤を使用する前に、入浴をして頭皮を清潔にします。頭皮の汚れが落ちることで、育毛剤がより馴染みやすくなるでしょう。
2. 育毛剤を頭皮に塗布する
頭皮や髪が濡れすぎていると、育毛剤が頭皮に届きにくいと考えられます。水が垂れてこない程度までタオルドライを行いましょう。
3. 頭皮マッサージをする
薄毛が気になる部分を中心に、指の腹で優しく揉んでいきます。
頭皮マッサージによって、育毛剤を馴染ませる・マッサージ作用で頭皮の血流を良くするという目的があります。
4. ドライヤーで水気を乾かす
ドライヤーの熱が集中すると、髪の毛や頭皮が傷みます。同じ部分に熱をかけないように、ドライヤーを移動させながら乾かしましょう。
最後に、頭皮や髪の毛は、食生活・睡眠などの生活習慣の影響を受けています。育毛を目指すのなら、「髪に良い栄養素を摂る・毎日6~7時間寝る・ストレス対策をする」ということも意識して実践しましょう。
セルフケアでは変化が実感できない、早く変化が欲しい人は、医療機関でのAGA治療を検討すると良いでしょう。
▼参考
DEMI 髪の3層構造
監修・執筆者プロフィール
<Edit:編集部>
※本記事は、mocobe(モコビ)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。