
最近、前歯が出てきた気がする…それ、“大人の出っ歯”かも。歯科医に聞いた原因と対策 (2/3)
出っ歯は自力で治せるのか? 気になるホントのトコロ
菊池先生:大人は歯茎や骨の成長が終わっているので、自力で治すのは困難です。出っ歯が気になる場合は、歯医者で歯列矯正を受けましょう。
割りばしを使ったり、自力で押したりするのは止めましょう。歯列を動かすには、強い力を継続的にかける必要があるため、たまに行う程度の自己矯正では歯を動かすことはできません。
また、自己流の方法では、歯にダメージを与えてしまうリスクもあります。
出っ歯を治す歯列矯正の治療方法は3つ
菊池先生:歯列矯の方法は「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」「骨格矯正」があります。それぞれの特徴と費用目安を解説していきます。
その1 ワイヤー矯正
出っ歯や関連する歯にワイヤーを通して、ワイヤーの力で少しずつ矯正していきます。
ワイヤー矯正には、表側に付ける方法と裏側に付ける方法があります。歯が大きく前に出ている場合は、矯正力が強い「表側矯正」が選択されるケースが多いです。
ワイヤー矯正は、骨に大きな異常がなければ、ほとんどの場合で適用可能です。
■ワイヤー矯正の費用
保険適用外で、以下程度の費用がかかります。
部分矯正:30万円~
全体矯正:100万円~
■治療にかかる期間
期間は個人差がありますが、通常以下程度の期間がかかります。
部分矯正:1年~
全体矯正:2~3年
<ワイヤー矯正のメリット>
・ほとんどの歯並びに適応している
・自宅での管理が不要
<ワイヤー矯正のデメリット>
・治療期間が年単位と長い
・ワイヤーが邪魔で歯磨きしにくい
・虫歯になりやすい
・口の中を器具で切ることがある
その2 マウスピース矯正
個人に合わせたオリジナルの歯型を作り、その歯型を基にして作ったマウスピースを口にはめて矯正します。マウスピース矯正が適応するのは、次のような人です。
・骨には大きな異常が無い人
・出っ歯があまり強くない人
■マウスピース矯正の費用
保険適用外で、通常30万円~100万円ほどかかります。
■治療にかかる期間
通常1~2年ほどです。期間には個人差があります。
<マウスピース 矯正のメリット>
・マウスピースをいつでも取り外せる
・食事・歯磨きがしやすい
<マウスピース 矯正のデメリット>
・1日20時間~マウスピースを装着する必要がある
・磨き残しがあると虫歯になりやすい
・つけ忘れる時間が長いと、矯正期間も長くなる