2019年7月1日

社会人こそ運動を取り入れるべき。“走るライター”がメリットと実践方法を考えてみた (2/2)

運動を通じて得られる「人との繋がり」

 熱中できる運動を見つけると、その運動を軸として人との新しい繋がりができてきます。共通の楽しみがあるので、自然と会話も弾むはず。私もランニングを始めてから、驚くほど多くの方々に出会いました。

◆運動を通じて知り合ったコミュニティに仕事は持ち込まない

 ここでオススメしたいのが、運動を通じてできた繋がりに仕事を基本的には持ち込まないこと。これによって、仕事内容や年齢、あるいは社会的地位などに関係なく、実に広い交友関係が築けるでしょう。もしかしたら、お互いに何の仕事をしているか知らないまま、何年も付き合いが続いていくかもしれません。

 とはいえビジネスパーソンであれば、ふとしたタイミングで仕事の話が出ることがあります。「そんなことやっていたの!?」という驚きはもちろん、そこから仕事に発展することも。すでに仕事に関係なく深い繋がりと信頼があるからこそ、後づけでビジネスにも結びつきやすいのです。実際、私はこれまで、ランニングを通じて知り合った方々をたくさん取材させてもらいました。また、逆に仕事を依頼されることも多く、それでも友人・仲間としての交友関係に変わりはありません。

 毎日朝から晩まで仕事していると、仕事以外での交友関係はなかなか広がらないものです。特に仕事のため新天地へと引っ越した場合、「周囲に友人・知人がいなくて寂しい」なんていう話はよく耳にします。そんな悩みさえ、運動が解決してくれる可能性があるのです。

できることから少しずつ継続することが大切

 仕事に追われて忙しい中、運動の時間を捻出することは大変かもしれません。しかし忙しいからこそ、仕事のパフォーマンスを上げる、あるいは助けてくれる仲間を作るなど、運動がプラスに働くことは多いはずです。

 プロアスリート並に何時間とトレーニングする必要はありません。もちろん何らかの競技で記録向上を目指すなら別ですが、無理のない範囲、例えば1日30分でも、継続することでさまざまなメリットが得られます。逆に「運動しなければ」と義務化してしまえば、とても窮屈でかえって続きません。できることなら日々の楽しみの1つとして、運動を取り入れられるのが理想ではないでしょうか。たとえば以下のような運動は、すぐに実践できます。

  • 早く帰れた日は、1つ前の駅で降りて、散策しながら帰ってみる
  • お風呂上がり、サッパリした状態で好きな音楽を聴きながらストレッチする
  • 土日の家族サービス、自転車の子どもに併走でランニング移動してみる など

 まずは自分のライフ&ワークの中で、少しずつでもできることを見つけてみてください。

関連記事:なぜ「体を動かすと健康にいい」と言われるのか。運動がもたらす4つの効果

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Illustration:Getty Images>

1 2