インタビュー
2017年11月17日

好奇心いっぱい!習い事は「できれば月曜から金曜まであれこれ日替わりがいい!」という子でした。モーグル伊藤みき(前編)│子どもの頃こんな習い事してました #5 (3/3)

ずっとライバルでしたね。とにかくなんでも姉の真似。性格は姉はおっとり、私はガガーッとやるタイプ。だからいつも姉のほうができる。姉がいなかったら近くの目標もないので、ここまで長く競技を続けられなかったと思う。

――ライバル心が燃えて仲が悪くなったことはない?

一緒にいる時間がものすごく長いので、多少いやなことがあっても仲良くしないと。ずっと姉を追っていたから、姉は「全部真似してくる!」と思っていたでしょうね(笑)。

――ご両親はどうでしたか。よく「きょうだいは比較しないほうがいい」と言いますが。

年功序列の家なので、祖母が絶対、その次に父、母、姉、私、妹。この順は変えられない。だから私が姉に上から何か言ったら怒られる。

――それだけ厳しくて、反抗することは?

常に反抗です。でも父がすごく厳しくて怖かったんですよ。

――反抗して「もうモーグルなんかやめる!」ということはなかったんですか。

「やめてやる」と思ったけれど、父が「スキーは“やらせてやってる”んだから、いつでもやめさせてやる」と。だから、中高校生のころには「スキーを足がかりに社会に出たい!」と思うようになりました。反抗が成熟しちゃって、独り立ちしたいという思いに変わったんです。

両親は「スキーでごはんは食べられないから勉強しろ」というスタンス。テストの成績が悪かったらスキーには連れていかないと言う。スキーで社会に出たいのに、勉強ができなかったら全部がポシャるからもう必死ですよね。

――勉強に対しても厳しかった?

厳しかったですね。スキー場までの車の中で勉強するんです。だから、中学までは成績はよかった。ちなみに、中学3年間は塾にも通っていました。これも私が「どうしても行かせてほしい」と言ったんです。やりたいことはすべて自分から言い出して、大して上達しなかったものも多いけど、お金のことでは何か言われたことは一切なかったです。「流行の服がほしい」と言っても買ってくれないけど、スキーや塾、本など、がんばることには何も言わずに出してくれた。そこに関しては徹底していました。

▼後編はこちら

子どものころ、すべては与えてもらえなかった、だからこそ夢もチャレンジ精神もずっと持ち続けている。モーグル伊藤みき(後編)【子どもの頃こんな習い事してました #5】 | 子育て×スポーツ『MELOS』

[プロフィール]
伊藤みき(いとう・みき)
1987年生まれ。滋賀県出身。モーグル三姉妹の次女。14歳でナショナルチームに選出され、高校生でトリノ五輪に初出場し、決勝に進出。ワールドカップ入賞者の常連となる。2013年、ワールドカップ初優勝、世界選手権2種目で銀メダルに輝く。ソチ五輪では日本代表となるも右膝前十字靭帯損傷のため出場は叶わなかった。2015年復帰

<Text:安楽由紀子/Edit:アート・サプライ(丸山美紀)/Photo:小島マサヒロ>

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