インタビュー
2017年12月27日

電車やバスに乗って習い事へ、遠征もひとりで準備。習い事で自立心もスクスクと育ちました。7人制ラグビー寺田明日香(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #7 (1/2)

 スポーツ界の第一線で活躍するアスリートに、幼少期の習い事について訊く連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのようにその後のプレーに活かされたか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 体操、水泳、ソフトテニス、日本舞踊、民謡、英語とたくさんの習い事をしていた、元陸上100メートルハードルで、現在は7人制ラグビーに転向した寺田明日香選手。小さなころからスポーツ万能、球技も得意で、サッカーや野球、バスケットボールをよくしていたそうです。それらの経験は、寺田選手の競技生活に大きな影響を与えることになりました。そして、母となった今、娘さんに習わせたいことは……?

ソフトテニスやバスケットが今、役に立った

――小さいころの将来の夢は、やはり陸上選手でしたか。

そうですね。小学5年生で全国大会100メートル2位、6年生でも2位になり、卒業文集には「オリンピック選手になりたい。世界の大会に出たい」と書きました。親からは「行けたらいいね。でもそれなりの練習をしないといけないよ」と言われたと記憶しています。でも、その後、中学、高校と進んで成績を残していくうちに母はそういうことは言わなくなり、「好きなときにやめていいよ」という距離感に変わって、一人の大人として、私の考えにまかせてくれたんだなと思ってうれしかったです。

――子どものころの夢を叶えた寺田さんですが、振り返ってみて、小さいころの習い事は競技生活に役立ちましたか。

小さいうちに体操教室でマット運動や鉄棒をやらせてもらって、身体の使い方を覚えたことは、今の基盤となっていると思います。水泳も身体をつくる上でいい影響があったと思います。特に私は心肺機能が弱かったので、そこを克服して基礎体力がつきました。それと球技。遊びでサッカーや野球をよくしていましたし、父がバスケと陸上を兼部していたので、一緒にバスケをすることも多かったんですが、ボールに抵抗がないことはラグビーで再スタートを切るうえで大いに役に立ってますね。ソフトテニスもかなり速い球が飛んできますから、コーディネーション能力がついたと思います。ただ、楕円球を触るのは初めてだったので、投げ方、蹴り方はわかりませんでしたが(笑)。

――総合的に身体を使っていたことが、アスリートとしての幅を広げることにつながったんですね。

そうですね。精神面でもいい影響がありました。陸上教室が電車で40分くらいかかるところにあり、ひとりで通っていたんです。水泳もバスに乗って行っていました。6年生くらいからは、陸上大会に出場するために母の付き添いなしで遠征に行っていて、自分で荷物を用意してキャリーケースを引いて、泊りがけも平気。自立心は早くから芽生えていたと思います。

――北海道出身ですが、スノースポーツの影響は?

札幌はスキーをする人が多くて、私は趣味でスノーボードをしていましたが、陸上を始めてからは「ケガが心配だからやめたほうがいい」と言われてやっていません。陸上教室では、雪で屋外練習ができない冬は体育館でマット運動や逆立ちをしていたので、それもよかったと思います。

子どもにも2歳になる前から水泳を習わせています

――今は3歳のお子さんのママとなりました。お子さんに習わせたいことは?

子どものときに基礎をつくっておきたいものはやらせようと思っていて、2歳になる前から水泳を習わせています。娘も私に似て鼻やのどが弱いのですが、水泳は心肺機能を高めるのにとてもいい。走ることもいいのですが、幼いときに「走れ」と言ってもたくさんは走れないですし、骨や筋肉が未熟なので走らせすぎることは負担になるんです。プールだと負荷が軽い中で潜ったり息を止めたり楽しみながら練習できますし、海などの水場で万一のことがあっても対処できるようになることもいいと思います。

あとは、私は日本舞踊を習っていましたが、音楽にも触れさせてあげたいですね。今は音楽教室に通っていますが、ピアノに移行する予定です。私自身、子どものころにピアノを習ってみたかったんですが、チャンスがなくて。両手を使うことは脳の活性化にもつながるんですよ。頭を鍛えながら音楽を奏でられるっていいですよね。

英語教室も検討中。ディズニー映画を英語で見るのが好きなようだし、先日、体験教室に連れていったら本人が「習いたい」と言っていたので。基本的に、本人が好きなこと、興味のあることは習わせてあげたいです。

――陸上に興味を示したら?

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