インタビュー
2019年7月5日

陸上大会で好成績を収めてもやっぱり野球、いつもワクワクしながらグランドへ。横浜DeNAベイスターズ・山崎康晃(前編)│子どもの頃こんな習い事してました #23 (1/3)

 スポーツ界の第一線で活躍しているアスリートに、幼少期の習い事について訊く連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのようにその後のプレーに活かされたか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 第23回は、横浜DeNAベイスターズの山崎康晃選手。小学2年生から野球チームに入団。スポーツが得意で中学のころは陸上大会に出場し活躍しましたが、それでも野球が好きということは揺らぎませんでした。そこにはお母さんへの思い、別々に暮らすことになったお父さんへの思いがあったようです。山崎投手を強く育てたお母さんとの思い出を語ってもらいました。※山崎康晃選手の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記です。

▶連載のアーカイブはこちら⇒インタビュー連載:子どもの頃こんな習い事してました(プロ野球・筒香嘉智選手、山川穂高選手、サッカー中村憲剛選手、谷口彰悟選手らアスリートが登場)

運動が得意、足の速さを見込まれ陸上大会に出場

――小さい頃、どんな習い事をしていましたか。

野球を小学2年生から始めたほかは特に習い事はしていませんでした。ただ、周りより足が速かったので、中学のときに陸上を少し。中学に陸上部はなかったんですが、ピックアップという形で招集されて練習し、ユニフォームを着て大会に出場させてもらいました。自分のスパイクも持ってましたし、本格的でしたね。東京都の支部対抗という大会(東京都中学校支部対抗陸上競技選手権大会)の100メートルに出場し、何位だったかな、4位くらいになったと思います。体を動かすことは比較的得意だったかもしれない。

――すごい記録ですね。陸上に道に進もうとは思わなかったんですか。

考えましたよ。野球以外で自分にできることって何だろう、一生続けられるものがあるだろうかと考えてみたときに、陸上か、あとはお母さんの故郷であるフィリピンに関係したことが何かできればいいなとも思いましたけど、陸上も野球もそんなに長く続けられないし……。いろいろ考えて結局野球に戻りました。

――野球を始めたきっかけは?

お父さんの影響です。お父さんは草野球をしていたんですが、僕が見に行った試合でホームランを打ったんです。それから野球がしたいと思うようになって、2年生のときに、森本稀哲さん(元プロ野球選手)が子どものころ在籍していた「西日暮里グライティーズ」に入りました。4年生からピッチャーになり、暇さえあればゴムボールで壁当てするなど練習していましたね。

――野球以外に興味があったことは?

周りの仲間が……、その、正直、あんまりおとなしいほうではなくて(笑)、悪さはしませんでしたけど、みんなと一緒にバイクに乗ってみたいというのは若気の至りで思ってましたね。今考えてみると、ずっと野球ばかりだったので、別のことをする時間も必要だったかもしれないと思います。

だけど、何よりも野球が楽しかったですし、信念というか、ひとつのことを突き通したいという思いを持っていたから僕は強くなれたと思ってます。どんなにヤンチャしても野球だけは負けない、野球だけは誰にも負けないというつもりでしたから。結果、巷ではヤンチャではなく野球で有名になりました(笑)。

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