
復興地を走る意味を考えた。「東北・みやぎ復興マラソン2017」大会レポ(後編)
- 趣味
- 2017年10月12日
東日本大震災の後、復興の進められている宮城県沿岸部を舞台にした『東北・みやぎ復興マラソン2017』。前回は、実際にランナーの走ったコースの様子についてご紹介しました。フラットで走りやすいコースは、シーズン最初の力試しにも良かったのではないでしょうか。
しかし本大会の魅力は、それだけではありません。やはり震災によって被害を受けた地域の“今”を見ながら走ること。そして、復興を願い取り組まれている現地の皆さんとの交流こそ、最大の魅力といえるでしょう。今回はコース上で目にした光景、そして人々の温かな思いにスポットを当ててご紹介します。
走りながら被災地の“今”を知る
スタート直後に走る整備された道路は、震災後に新設されたもの。この道路は標高5m前後あり、防波堤の役割も果たすそうです。“かさ上げ道路”と呼ばれ、津波による被害を受けたことにより、その被害を防ぐべく作られました。
沿道から寄せられる「ありがとう」の声
コース上のほとんどは更地の状態。そのため、沿道からの応援は多くありません。しかし何ヶ所か民家のあるエリアを通ると、ランナーに向けて地域住民の皆さんから笑顔と声援が飛び交っていました。
「美味い!」がいっぱいのエイドステーション
もちろんフラットコースは、フルマラソンへの初挑戦、あるいは記録更新を狙うのにも良いでしょう。実際、本大会ではサブ3から完走ペースまでペーサーが配置されていました。これもまた、幅広い層のランナーに参加してもらおうという工夫なのかもしれません。走ることを通じた被災地との関わり、ぜひ来年の予定に入れてみてはいかがでしょうか。
[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com
<Text & Photo:三河賢文>