インタビュー
2019年1月13日

演技経験のない子役を抜擢した理由とは?『いだてん』第2回の見どころをチーフ演出・井上剛に聞いた (2/2)

第1回はフルキャストでしたが、第2回は金栗家の7人兄弟がメインになる。だから、相当強烈な個性で話を引っ張っていかないといけなかった。結果的には第1回とは雰囲気が全く違う、その落差も含めて、非常におもしろい第2回になったと思います。この男の子が将来、中村勘九郎さん演じる成人の金栗四三になり、走り出していくんだと思って見てもらえたら。もともと金栗さんは健康のため、身体を丈夫にするために地元の熊本で走っていただけなんです。それが、ゆくゆくは世界の檜舞台まで連れていかれる。だから主人公(子役)には、思慮深くない、計算高くない人がふさわしかった。子どものまっすぐに走り続ける純な思いを、後に勘九郎くんが引き継いでいきます。

――その子は、親が応募したんですか?

たしか、お祖母ちゃんが応募したはず。本人にも「自分の意思で来たの?」と聞いたんですが、「違います」と(笑)。みんなそうです、大河ドラマの子役のオーディションって。まして金栗四三って言われても、ピンとこないじゃないですか。地元、熊本の子です。それも採用の判断材料になった。熊本放送局で、たくさんの応募者にリハーサルとオーディションを行って見つけました。

――ということは、方言の指導をする必要もなかった?

ところが現代の子は、方言をそんなに喋ってくれないんです。でも感情が高ぶると出る。だから、そこまで持っていかないといけない。それが大変でした(笑)。

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[番組情報]
『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』

《放送予定》
全47回/毎週日曜[総合]20時/[BSプレミアム]18時/[BS4K]9時
《作(脚本)》

宮藤官九郎
《音楽》

大友良英
《題字》
横尾忠則
《噺》

ビートたけし(古今亭志ん生)
《出演(キャスト)》
中村勘九郎(金栗四三)、阿部サダヲ(田畑政治)/綾瀬はるか(春野スヤ)、生田斗真(三島弥彦)、杉咲花(シマ)/森山未來(美濃部孝蔵)、神木隆之介(五りん)、橋本愛(小梅)/杉本哲太(永井道明)、竹野内豊(大森兵蔵)、大竹しのぶ(池部幾江)、役所広司(嘉納治五郎)

荒川良々(今松)、池波志乃(美濃部りん/おりん)、井上肇(内田公使)、岩松了(岸清一)、柄本時生(万朝)、大方斐紗子(金栗スマ)、小澤征悦(三島弥太郎)、勝地涼(美川秀信)、川栄李奈(知恵)、小泉今日子(美津子)、近藤公園(中沢臨川)、佐戸井けん太(春野先生)、シャーロット・ケイト・フォックス(大森安仁子)、白石加代子(三島和歌子)、髙橋洋(池部重行)、田口トモロヲ(金栗信彦)、武井壮(押川春浪)、永島敏行(武田千代三郎)、中村獅童(金栗実次)、永山絢斗(野口源三郎)、根岸季衣(田畑うら)、ピエール瀧(黒坂辛作)、平泉成(大隈重信)、古舘寛治(可児徳)、ベンガル(田島錦治)、星野源(平沢和重)、松尾スズキ(橘家圓喬)、松坂桃李(岩田幸彰)、松重豊(東龍太郎)、満島真之介(吉岡信敬)、峯田和伸(清さん)、宮崎美子(金栗シエ)、山本美月(本庄)ほか
《制作統括》

訓覇圭、清水拓哉
《演出》
井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
《公式サイト》
https://www.nhk.or.jp/idaten

<Text:近藤謙太郎/Photo:NHK提供>

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