インタビュー
2019年12月16日

SUPER☆GiRLS・渡邉幸愛&石丸千賀×バレエ特別対談(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#26 (2/2)

——渡邉さんもコンクールに出ていたんですか?

[渡邉]出てましたけど、ちかぴの後にできる話ではなくて……(笑)。「ダンスコンペティションin仙台」というコンクールで、トウシューズを履かない部門があったんです。どちらかというとモダンバレエに近いその部門で、小5、6のとき、2年連続で1位になりました。

[石丸]え、そのコンクール、私も出たことあります! バレエのコンクールというと、ご存じない方にとってはクラシックのイメージが強いと思うんですけど、モダンからコンテンポラリーまでいろんなジャンルの部門があるんですよね。

——渡邉さんは、早い段階でバレエ以外のダンスもはじめていたんですよね?

[渡邉]そうですね。小学3年生のときに仙台の事務所に入ったんですけど、最初は広告のお仕事をしてたんですよ。そのうちに、ダンスと歌をやってみないかってお話をいただいて、ヒップホップのダンスをはじめました。一時期はバレエと両方やってた時期もあったんですけど、それぞれに求められる動きが全然違うので、お互いが邪魔になっちゃうんです。どちらかに絞らないといけないと考えているときに、後に「Dorothy Little Happy」というユニットを結成する先輩に憧れて、歌とダンスを選びました。

——バレエとヒップホップでは、どんな違いがあるんですか?

[渡邉]たとえば、ヒップホップでは体を前かがみにするとき、お腹をへし折る動きがあるんですけど、バレエでは体を前に倒すときも、常に背筋を伸ばしているんですよ。

[石丸]そもそも基本姿勢が違いますよね。バレエだと、ピアノ線で上から体を吊られてる感覚で立つんですけど、ヒップホップの先生からは、床に引っ張られるように立ちなさいって言われて。基本姿勢から間逆なんです。

ロシアで過ごした石丸千賀の青春時代

——石丸さんは13歳でロシアの超名門校へ留学するわけですが、これは非常に限られた人のみができる挑戦なんですよね?

[渡邉]いや、本当にめちゃくちゃすごいことですよ! 

[石丸]いやいや……。国によって流派が違うので、日本のコンクールでトップの人が、必ずしも海外に行けるわけではないんです。私の場合も、日本では上位をとれなかったけど、ロシアの先生から見ると光るものを持っていたらしくて、ありがたいことに誘っていただけて。

——流派の違いとは?

[石丸]私の世代では、日本のコンクールで評価されるのはテクニカルな部分でした。回転数が多い、跳躍力が高いといった部分が重視されるので、たくさん回る、高く飛ぶ子が上位になるんです。でも、ロシアでは1回転でもいいからどれだけ美しく回れるか。高くないとしても、どれだけ美しく飛べるか。立っているだけでどれだけオーラをはなてるのかという、根本的な部分が重視されていましたね。

——ロシアに留学したのは、どんなタイミングだったんですか?

[石丸]もともと、高校生になるまでに絶対ロシアに行くと決めていたんです。11歳のときに短期留学の募集があったので、オーディションを受けて2週間留学して。13歳のとき、講習会でボリショイ・バレエ学校の先生にお声がけいただいたんですけど、2週間以内に入国しなきゃいけない状況だったので、悩む間もなくすぐに決めました。

——その超名門校では、どんな生活をしていたんですか?

[石丸]国立のバレエ団に所属するダンサーはみんな公務員なんですね。だから、学校は公務員を養成する環境になっていて、寮も学校の上にあるので外出も簡単にはできませんでしたね。

——バレエのレッスンのほかは、どのような勉強をしていたんですか?

[石丸]1日のスケジュールは、9時から1限のクラシックバレエの授業があるので、8時にはスタジオ入りしてウォーミングアップをします。その後は座学。ロシア語や音楽史、バレエ史、音楽演習や、普通の学校で習う数学や理科の科目も勉強して。実技でも、バレエだけじゃなくて、宮廷舞踊、民族舞踊、体操と、いろんなジャンルの科目があるんです。そして、最後はまたバレエのレッスン。だいたい、朝と夜にレッスンがあって、朝は基礎の練習、夜は舞台のリハーサルをやったりしていました。

——ロシアにはどのくらいの期間滞在したんですか?

[石丸]2年間です。15歳のときに怪我をしてしまって、手術をしなきゃいけなくなったんですよ。でも、向こうで手術をするには手続きが難しくて、帰国してリハビリをして……。これが最初の挫折でした。結局、これまでに計7回手術してるんです。

——7回も! もし怪我がなかったら、今頃ロシアのバレエ団のダンサーになっていた可能性もあったわけですね。

[石丸]当時、日本人として最年少だったので、もしかしたら……と思うことはありました。

後編:SUPER☆GiRLS・渡邉幸愛&石丸千賀×バレエ特別対談(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#26

[プロフィール]
渡邉幸愛(わたなべ・こうめ)/SUPER☆GiRLS
1998年3月17日生まれ、宮城県出身。3歳から約10年間クラシックバレエを続ける傍ら、小学3年生から芸能活動を開始。2014年にSUPER☆GiRLSへ2期生として加入。テレビ、映画、舞台などの芝居や、グラビアでは「可愛すぎる困り顔」のコピーで活躍、写真集も出版するなど幅広く活躍している。
【公式Twitter】@SG_KOME_avex
【公式Instagram】@koume_watanabe.official

[プロフィール]
石丸千賀(いしまる・ちか)/SUPER☆GiRLS
1996年3月29日生まれ、福岡県出身。3歳からクラシックバレエをはじめ、数多くのコンクールで入賞。13歳の時、当時日本人として最年少で、ロシアの超名門校・ボリショイバレエアカデミーに入学。ケガのため2年で帰国し、その後計7度の手術を経験しながらも18歳までバレエを続け、2018年にSUPER☆GiRLS4期生として加入。インスタグラムでは、さまざまなロケーションでバレエのポーズを披露する写真を公開している。
【公式Twitter】@SG4_CHIKA
【公式Instagram】@chika_ishimaru.official

<Text:森祐介/Edit:村上広大/Photo:髙橋慶佑>

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