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超長距離を走る“ウルトラランナー”の興味深い心理。なぜ走る?モチベーションは? (1/2)

 ランニングブームが起き始めてから久しく、もはや普通の人がフルマラソン(42.195キロ)を走るのは驚くべきことではなくなりました。それでもフルマラソン以上の超長距離レースを走るウルトラマラソンとなると、やはり今でも特別なものだと思われているのではないでしょうか。「一生に一度の思い出に」と、こうしたレースに挑戦する人もいます。

 なかには、世間の常識から外れてしまったような“ウルトラランナー”と呼ばれる人種がいます。毎年のように、あるいは年に何回もウルトラマラソンのレースに出場し続ける人たちがいるのです。

 有名なサロマ湖100kmウルトラマラソンを10回以上完走した人には「サロマンブルー」、20回以上完走すると「グランドブルー」という称号が与えられます。その称号を得た、あるは得ようとしている人たちが少なからずこの世に存在する。このことの意味を、どう考えたらよいのでしょうか。

 ウルトラランナーの中には、100キロを走ったら次は100マイル(160キロ)、あるいは24時間連続で走る耐久レース、それでも足りなければ数日間にわたって250キロ以上など、挑戦するハードルを困難なものにしていく人たちもいます。

 こうなると、もはやランニングは「健康にいい」「ダイエットに向いている」というようなレベルからは大きく逸脱しているように思えます。彼らウルトラランナーたちのモチベーションは、はたしてどこにあるのか。そして、それは5キロ~フルマラソンまでを走る、通常のランナーたちとはどのように異なるのか。

 その疑問に、心理学的アプローチから答えようとした研究(*1)があります。

どんな研究だった?

 学術誌「心理学研究及び行動管理」(Psychology Research and Behavior Management)の2018年11月号に発表されたこの研究では、ボランティアで参加した1539人のランナーに対して、走ることへのモチベーションについてオンラインで質問を実施。質問にあたって、研究者らはモチベーションを以下4つのカテゴリーに分けました。

✓ 心理的(生きがい、自尊心)
✓ 記録的(個人的な目標の達成、競争)
✓ 社会的(仲間との帰属意識、他人からの承認)
✓ 身体的(健康、ダイエット)

 回答者はそれぞれについて、重要度を1~7までの数字で評価。そして研究者らは、回答者をウルトラランナー(50キロ以上のレースを走ったことがある人)と通常ランナー(50キロ以下のレースを走ったことがある人)の2つのグループに分けました。

研究の結果は

 2つのグループの間では、回答の傾向に大きな違いがありました。

 ウルトラランナーのグループは、数字に表れにくい項目(仲間意識、生きがい)を最大のモチベーションと回答することが多かったのに対し、通常ランナーのグループでは個人的な目標の達成、競争、健康、ダイエットなどの数量的な結果をモチベーションにする傾向が強いことがわかったのです。

 そして、レースを走った回数が多くなれば多くなるほど、ウルトラランナーは数量的なものや外部的なものへの興味が薄くなる傾向があることもわかりました。

次ページ:ウルトラランナーの興味深い心理

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