2026年10月27日

ビフィズス菌が「老化に関わる炎症」を抑える可能性。新たな研究で示されたこと

ビフィズス菌と聞くと、ヨーグルトやおなかの調子をイメージする人も多いでしょう。そんな身近な腸内細菌について、免疫細胞の反応との関係が報告されました。

森永乳業は、腸内のビフィズス菌が、過剰な炎症反応を抑える可能性を示す研究成果を発表。研究は国際学術誌「iScience」に掲載されています。

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体を守る「炎症」も、長く続くと問題に

炎症は、けがや感染などから体を守るために必要な反応です。一方、弱い炎症が長期間続く「慢性炎症」は、老化やさまざまな健康課題との関連が指摘されています。

今回の研究では、免疫細胞が刺激にどのくらい強く反応するかに着目。その反応の違いと、腸内細菌の構成との関係を調べました。

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ビフィズス菌が多い人ほど、炎症反応が低い傾向

研究では、健康な成人50人の血液から取り出した細胞を培養し、免疫細胞の一種である「単球由来樹状細胞」を作製。細菌による刺激を加え、炎症に関わる物質の産生量を調べました。

その結果、腸内のビフィズス菌の割合が高い人ほど、培養した免疫細胞が作る炎症関連物質が少ない傾向が認められました。腸内細菌と、免疫細胞の反応の強さとの関連を示す結果です。

ビフィズス菌の成分に触れると、細胞の反応が変わる?

続いて行ったのが、ビフィズス菌由来の成分を、免疫細胞にあらかじめ作用させる実験です。

その後、別の細菌による刺激を加えると、成分を作用させていない細胞と比べて、炎症に関わる物質の産生が抑えられました。

さらに、遺伝子の働き方を調節する仕組みにも変化が確認されました。ビフィズス菌由来の成分が、免疫細胞の反応を調節する可能性が示されています。

老化との関係は、今後の研究に期待

慢性炎症は、老化に関わる要因のひとつです。そのため、森永乳業は今回の成果を、ビフィズス菌が健康維持や老化に関わる炎症の調節にどう関与するかを理解するための知見と位置づけています。

ただし、今回調べたのは、腸内細菌の割合と免疫細胞の反応との関連、そして培養した細胞での変化です。ビフィズス菌入りの食品を食べることで、体内の炎症や老化が抑えられると直接証明した研究ではありません。

おなかの調子だけでなく、免疫細胞との関係からも研究が進むビフィズス菌。身近な腸内細菌の働きを知る、新たな手がかりになりそうです。

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<ビフィズス菌BB536配合プレーンヨーグルトの臨床試験>
HRBであるビフィズス菌BB536を含むビフィズス菌BB536配合プレーンヨーグルトの摂取と食事・運動習慣改善による老化への影響を調査した研究です。研究の結果、3か月間の取り組みにより老化の進行速度を示す指標で、減速の可能性が示されました。
Short-term responsiveness of DNA methylation–based aging biomarkers to a multimodal intervention comprising exercise and dietary guidance involving daily consumption of yogurt containing Bifidobacterium longum BB536: an exploratory randomized controlled trial, Aging (2026) (DOI: https://doi.org/10.18632/aging.206386)

<論文タイトル・著者>
「Gut commensal bifidobacteria are associated with restrained inflammatory reprogramming in human monocyte-derived dendritic cells」
Sayaka Ishihara, Tatsuki Nishimura, Riko Mishima, Eri Mitsuyama, Akira Sen, Hiroki Kaneko, Yukihiro Hishida, Miyuki Tanaka, Toshitaka Odamaki
iScience (2026) https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.116583

<Edit:編集部>