2019年9月18日

キノコで痩せやすい体質に。きのこ生産大手ホクトとサッカー元日本代表・鈴木啓太さん創業のベンチャーが共同研究

 きのこが腸内環境を整えて、痩せやすい体質をサポートしてくれる。きのこ生産大手のホクトとアスリートの腸内細菌を研究するベンチャーAuBが共同研究を行い、結果を発表しています。

サッカー元日本代表・鈴木啓太さん創業のベンチャー会社「AuB」

 まず、今回ホクトと共同研究を展開したAuBについて軽く紹介します。同社は、サッカー元日本代表の鈴木啓太さんが2015年10月に創業したスタートアップです。おもにアスリートの腸内環境解析を手掛けています。

 鈴木さんは、栄養士の母親に幼少から「人間は腸が一番大事」と言われて育ったそう。現役時代からお腹でコンディショニングを整えてきたといいます。「自分の感覚を科学的に解明して、アスリートや一般の方の健康に寄与したい」と、会社を設立しました。

腸内環境改善や体脂肪減にきのこが有効

 今回の実験は、都内4大学の運動部に所属する男女計23名対象に、2019年6月から7月にかけて30日間実施。その前後の腸内環境(腸内フローラ)の変化が比較検証されています。

 まずは、粉末にしたきのこの錠剤を1カ月間毎日、アスリートか摂取。すると、ヒトの腸内環境における“太りやすさ”の指標を表す数値が、摂取後に平均14%減少する結果が得られたといいます。

 さらに、肥満度を表す体格指数「BMI」が低い人に多く見られる、体重や体脂肪率を減少させるという菌(Christensenellaceae菌)の数値が、なんと7ポイントも増加しました。

 こうした結果から、きのこを摂取することで腸内環境が改善し、筋肉量を落とさずに痩せやすい傾向に変化すること、そして、ヤセ型の人に多いといわれている腸内細菌が増加することが分かったといいます。

 加えて、健康の指標である腸内細菌の多様性(種類)が増加し、免疫力を調整する役割をもつとされる菌が増加したという結果も。今回の実験によって、選手の体重は平均約1キロ減少、体脂肪率が平均8%も減少したのに、筋肉量は一定(0%変化)だったという点もすばらしいポイントです。

 より動きやすい身体を目指して体重を落としたいと考えている方や、腸内環境の改善を目指したい方は、今回の実験結果を参考にきのこ生活を心がけてはいかがでしょうか?

<Text:辻村/Photo:Getty Images>