不遇な状況でも腐っちゃいけない。空手が教えてくれた大事なこと。BiSゴ・ジーラ(前編) (1/3)
全裸PV、100キロマラソン、終身名誉メンバーは世界的デザイナー・コシノジュンコ……と話題性と体当たり企画が売りのアイドルグループBiS(ビス)。2014年に1度目の解散をし、2016年に再結成。第2期に突入したグループの中で、異色の光を放つアナーキーなメンバーがゴ・ジーラだ。
自らを“怪獣担当”と名乗り、アイドルらしく愛嬌を振る舞うことを苦手と言う。アイドルの概念をぶち壊すゴ・ジーラは幼稚園の頃から空手を習っており、その拳は強靭なパンチを放つ(でも暴力は嫌いだから殴らない)。取材中、怪獣らしからぬ(?)礼儀正しい立ち振る舞いと凛とした輝きを放っており、これは空手からきているようだ。そんなゴ・ジーラに空手から学んだことを聞いてみた。
空手は好きじゃなかった。けど目標ができてから変わった
――空手歴は13年もあるそうですが、空手をはじめたきっかけは?
もともと父が不良マンガが好きで、娘にも強くなって欲しいという想いから私に習わせたそうなんです。幼稚園の頃から道場に通っていて高校生まで習っていました。
――ずっと続けていたんですね。ということは、はじめてすぐ好きに?
いえ。全く逆で最初は嫌でしたね。嫌で練習から逃げたこともありました。しかも1度や2度ではなく、何度も。
――どんなところが嫌でしたか?
空手漬けだった日々が嫌でしたね。午後3時に学校が終わったら、家に帰って道着をきてダッシュで道場へ。練習が9時に終わったら家に帰って勉強をして寝て……朝起きたらまたという繰り返し。これが月曜から土曜まで続き、日曜は試合っていう日々でした。空手漬けで、放課後に友達に遊んだ経験もなく、友達もいませんでした。
――そこから好きになったきっかけは?
中学生になってから将来のことを考えるようになったことがきっかけですね。中学に入ると進学を考えるじゃないですか。その時、勉強だけでなく空手もがんばれば推薦で高校に入れるし、授業料が無料になる可能性もある。その先の大学でも同じ道が開けるな、と。それから真剣に空手をしようと決めました。その前は練習をやらされていたけど、中学生になってからは主体的に取り組むようになったんです。
ただ本当に好きになったのは高校生からなんですよ。高校は空手の強豪校に進学したわけではないので、「学校のために勝たないといけない」とかプレッシャーがなくって。以前は両親に言われて空手をする、とかそういう“誰かのため”に空手をしていたんですが、高校からは“誰かのためにしなくていい”となって、それから純粋に楽しめるようになりました。