ウェルネスフード
2024年11月11日

じゃがいもにはどんな栄養がある?食べるメリットとは? スポーツする人におすすめの簡単レシピも紹介[栄養士監修] (1/2)

 子どもも大人も大好きなポテト。ポテトサラダやポテトコロッケ、カレーにポテトフライなど、日本人の食に欠かすことができない食材です。そんなポテトには、炭水化物であるでんぷんが多く含まれていることは誰もが知るところ。しかしでんぷんが消化の早い炭水化物で、運動に必要なエネルギーとしてすぐに利用できるといったメリットを知る人は少ないかもしれません。

 今回はそんなポテトの栄養価から、運動パフォーマンスにもたらすポテトの効果、効率よく栄養を摂取するための食べるタイミングなどを管理栄養士の佐藤樹里さんに解説していただきます。さらに、スーパーなどで手軽に手に入る米国産冷凍フライドポテトや米国産ポテトフレークを使った簡単レシピも教えていただきます。

ポテトって食べた方がいいの?

 毎日の食事や小腹が空いたときなど、意識するしないに関わらず私たちの暮らしの中に登場する機会の多いポテト。逆にいうと、ポテトの栄養価やその効果を意識して食べている、という人はあまりいないのではないでしょうか。

 しかし、ポテトにはアクティブな生活を送るにも、スポーツをする人がベストな状態でパフォーマンスをするにも必要なエネルギーである炭水化物が豊富に含まれ、筋肉に不可欠なカリウムも含まれています。つまり、ポテトは実は意識して食べた方がいい、ということになります。

糖質は適量ならば太らない

 「糖質は太る」と思っていませんか? しかし、糖質は体を動かすためのエネルギー源として絶対に必要な栄養素です。では、糖質が不足するとどうなるのでしょうか。

「体や脳を動かすエネルギー源となるのが糖質です。つまり、糖質をしっかりと摂取することが、体づくりや運動パフォーマンスのアップにつながります。過度な低糖質の食事を行うと、体のたんぱく質の量が減ったり、集中力の低下や疲労感などが生じてしまうので注意が必要です」と、佐藤さんも警告しています。

 糖質は適量であればエネルギーとして消費され、むしろ脂肪を燃やすためのエネルギー源ともなります。もちろんポテトの糖質も、適量であれば太るということはありません。皮つきポテト中サイズ(148g)のポテトのカロリーはたった110kcal。ポテトを上手に日々の食生活に取り入れてエネルギー補給すれば、日々を活動的に過ごすことができます。

意外に栄養素豊富なポテト。カリウムの含有量はバナナより高い!

 ポテトには、炭水化物やカリウムのほかにも多くの栄養素が含まれています。以下は、皮つきポテト中サイズ(148g)1個に含まれる栄養素です。

 なかでも注目すべきは、カリウムの含有量。カリウムは筋肉の収縮など筋肉機能の調節に関わっており、さらに「カリウムが多く、ナトリウムが少ない食事は高血圧や脳卒中のリスクを減らす」という研究結果があります。カリウムはナトリウムを体外に排出しやすくする作用があるため、塩分過多になりがちな現代の食生活の中で、塩分の取り過ぎを調節するのに役立ちます。

 WHOのガイドラインでは、成人男女ともに1日3510mgのあたりのカリウム摂取を推奨しており、620mg(上図参照)のカリウムは、必要摂取量の約15%に相当します。ちなみに、カリウムといえばバナナと思われがちですが、バナナ100gあたりのカリウム含有量は360mg。つまり、ポテトのカリウム含有量はバナナよりも高いのです。

「皮つきポテトの方が食物繊維や鉄が多く含まれています。また、6枚切り食パン1枚とポテト1個の栄養価を比べると、ポテトはカロリーが約半分、食物繊維は約6倍、ビタミンCに関しては食パンには含まれないので約40倍にもなります」と、ポテトは皮をむいてしまうより皮がついたままのほうが栄養素をより多く摂取できると佐藤さん。

 小腹が空いたときなどに、皮つきポテトを蒸かしてそのまま食べれば栄養素はそのままに、カロリーを抑えたおやつになりますね!

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