
胸を鍛えると「見た目」が変わる!大胸筋を鍛えるべき理由とおすすめ筋トレ (1/3)
厚い胸板は男らしさの象徴。大胸筋を鍛えることで、見た目がたくましくなるだけでなく、スポーツや日常生活でもパフォーマンスがアップします。
今回は、大胸筋を鍛えることで得られるメリットと、大胸筋を効率よく鍛えるトレーニングを、パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS(スタジオコンパス)のトレーナー・山岸慎さんが解説します。
大胸筋を鍛えるメリットとは
大胸筋を鍛えることで、見た目に「たくましい印象」を与えるだけでなく、日常生活での動作の質も向上します。
とくに、腕を前に押し出すような動作に大胸筋は大きく関与しており、筋力が強化されることで「押す」動作のパフォーマンスが上がります。
たとえば、扉を押す、重たいものを押し出す、地面から立ち上がるといった日常動作も、実は「押す」動きの連動で成り立っています。
日常動作は、【立ち上がる・しゃがむ・押す・引く・持ち上げる・歩く】といった複数の動きが複雑に組み合わさっているため、大胸筋を鍛えることは、日常動作全体の効率向上にも繋がります。
胸筋を鍛えると胸が大きくなる? 大胸筋とバストアップの関係
大胸筋を鍛えることで、胸部全体に厚みが増し、見た目としてボリュームが出るのは事実です。筋肉の発達によって胸部の張り感が出るため、上半身の輪郭が変わりやすくなります。
ただし、「バストアップ」という視点で見ると、直接的な効果は限定的です。なぜなら、バストの大部分を構成するのは筋肉ではなく脂肪組織であるためです。
大胸筋を鍛えることで胸の土台が安定し、バストを下から持ち上げるような見た目の変化が期待できますが、「バストそのものが大きくなる」というよりは、「形が整う」「見た目が引き上がる」といった変化が主となります。
大胸筋が衰えると、どんなデメリットが出てくる?
では、大胸筋が弱くなると、どんなデメリットが出てくるでしょうか。
もっとも顕著に現れるのが「押す力」の低下です。
押す動作は、日常生活において頻繁に使われる基本的な身体機能であり、ベッドや床から身体を起こす、物を前に押すといった行為がしづらくなります。
また、「持ち上げる」動作も大胸筋を使った押しの力に含まれるため、大胸筋の衰えは動作の力強さや安定性を損なう要因になります。
さらに、大胸筋の筋力低下は肩まわりにも影響します。
筋力が不足すると、肩甲帯の安定性が失われ、肩の可動域が不安定になり、肩関節への負担が増加→怪我のリスクが高まるといった負の連鎖につながります。
大胸筋を鍛えすぎるとどうなる? 考えられるデメリット
大胸筋を過剰に鍛えることで、スポーツや特定の動作において不利に働く場合があります。
たとえば、ゴルフなどの回旋を多用するスポーツでは、胸まわりの筋肉が大きくなりすぎると胸部の可動域が制限され、スイングの柔軟性が失われることがあります。
また、過剰に大胸筋を意識しすぎると力みに繋がり、自然なフォームが崩れてしまうことも。
加えて、バランスを無視して胸だけを鍛えてしまうと、肩が前に出た猫背のような姿勢になりやすく、肩のインピンジメント(衝突症候群)などのリスクも出てきます。
適度なバランスで、肩・背中・体幹も含めた総合的なトレーニングを意識することが大切です。
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