
スミスマシンで胸筋を狙い撃つ。正確に効かせるベンチプレスの使い方 (2/3)
スミスマシン vs フリーウェイト|どちらが効果的?
同じベンチプレスでも、スミスマシンとフリーウェイトでは特徴が異なります。目的に合った選び方ができるよう、それぞれの違いを解説します。
スミスマシンで行うベンチプレス:フォームを安定させて、筋肉に集中して鍛えたいときに向いている
フリーウェイトで行うベンチプレス:バランスや体幹も含めて、総合的に鍛えたいときに向いている
ベンチプレスにおいては、スクワットほどスミスマシンとの違いが大きくないものの、筋肥大・フォームの反復・安全な追い込みを重視するならスミスマシンが適しています。
スミスマシンは2種類
スミスマシンには主に2種類あり、それぞれ軌道や使い心地に違いがあります。自分のジムにあるタイプを理解しておくと、フォームの調整や狙いたい部位への効かせ方に役立ちます。
種類 | 特長 | 向いている使い方 |
垂直スミスマシン(直上下型) | バーが真上・真下に動く | 基本フォームの習得や、大胸筋にストレートに効かせたい人におすすめ |
スーパースミスマシン(斜め型) | 軌道が後方に約7〜10度傾いている | より自然な動作に近く、肩関節に優しい。通常のベンチプレスに近い感覚で行いたい人に適している |
■使う前にチェックしたいポイント
・バーを真上に上げたとき、軌道が背中方向にやや傾いていれば「スーパースミスマシン」
・真上に真っ直ぐ動けば「垂直型」
それぞれのマシンで適切なフォームはわずかに異なります。たとえばスーパースミスマシンでは、ベンチの位置を少し前に出すことで、自然なバーの降下位置(みぞおちあたり)を作りやすくなります。
「軌道が合わない」と感じたら?
以下のような違和感がある場合は、スミスマシンの向きが自分の体格やフォームとズレている可能性があります。
・バーが自然に胸のラインに下りてこない
・肩や手首が窮屈に感じる
・押し出す軌道が腕の角度と合わない
こうした場合は、ベンチの前後位置や身体の角度を1〜2cm単位で調整してみると改善することがあります。それでも違和感が強いときは、無理にスミスマシンを使わず、ダンベルやフリーのバーベルに切り替える判断も大切です。
スミスマシン ベンチプレスのやり方(基本)
正しいフォームを身につければ、ケガの予防にもつながります。セットの仕方から動作のポイントまで、基本を順を追って解説します。
セットアップ
・ベンチプレスの位置を調整し、バーが乳頭〜みぞおちあたりに下ろせる位置にセットする
・バーを握る位置は肩幅よりやや広め
・肩甲骨を寄せて胸を張り、足裏をしっかり床につける
動作
1.バーを外して、胸の位置までゆっくり下ろす
→ このとき息を吸いながら、肩甲骨を寄せて大胸筋をしっかりストレッチする意識を持ちましょう。
2.胸につける手前で止め、反動を使わず押し上げる
→ 息を吐きながら、大胸筋で押す感覚を大切に。手ではなく胸で持ち上げる意識を持つと効果が高まります。
3.肘はロックせず、トップで軽く曲げたままコントロールする
→ 肘関節を伸ばしきると負荷が抜けてしまうため、常に張力を保つようコントロールしましょう。
重量と回数の目安
トレーニングの目的やレベルによって、適切な重量や回数は変わります。初心者から中上級者まで、参考にできる目安を紹介します。
初心者向けの目安
男性:30〜50kg程度からスタート
女性:15〜30kg程度からスタート
15〜20回で限界がくる重量を目安に、正しいフォームを覚えることを優先しましょう。
中上級者向けの目安
・フリーベンチ使用重量の110〜120%が目安
・筋肥大を狙うなら、8〜10回でギリギリ上げられる重さを設定
目的 | 重量の目安 | 回数とセット数 |
筋力アップ | 80〜90%RM | 3〜6回×3〜5セット |
筋肥大 | 60〜80%RM | 8〜12回×3〜4セット |
筋持久力 | 50〜60%RM | 15回以上×2〜3セット |
※RM(Repetition Maximum):1回だけ持ち上げられる最大重量
平均重量の目安(男女別)
性別 | 初心者の目安 | 中級者の目安 |
男性 | 30〜50kg | 50〜80kg |
女性 | 15〜30kg | 30〜50kg |
※スミスマシンはフリーウェイトよりも扱いやすく、10〜20%重い重量でも取り組みやすい傾向があります。
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