短時間で「走る力」を高める方法は?市民ランナーは“まず脚力を身につけよ”
マラソンなどの長距離走で必要な運動能力は、「脚力」と「心肺能力」です。初心者ランナーでも競技選手でも、そのこと自体は変わりません。
最初から最後まで、同じペースで走り切れる人は滅多にいません。大抵はどこかの時点で極端にペースダウンするか、歩いてしまいます。その原因は、「42kmという距離を走りきる脚力がないから」です。心肺能力の不足ではありません。

呼吸は、たとえ苦しくなっても歩いているうちに回復します。そのため、市民ランナーはまず脚力をつけることをトレーニングの主な目的に考えるべきでしょう。そのトレーニングを行っているうちに、フルマラソンを完走するぐらいの心肺能力は自然に身につくはずです。
なお、この場合の市民ランナーとは、たとえばフルマラソンを3時間以上かかる人のこと。それより速い結果を求める人には当てはまりません。
故障のリスクを減らしながら脚力を上げる方法とは
長い距離を走れば脚力はつくが……
長い距離を走れば脚力がつきます。
10kmのジョギングを週5回、1か月で200km以上を3か月続ければ、それだけで必ずフルマラソンを4時間以内で完走できるでしょう。
しかしながら、それだけのトレーニングをするうちに、多くの人は何かしらの故障に見舞われます。
アメリカ・ハーバート大学が2012年に行った調査によると、日常的に走っている人のうち、実に79%が故障を経験したことがあるとのこと。
故障とまでいかなくても、レース後の長引く筋肉痛に悩んで日常生活に支障をきたす人、かえって健康を損ねてしまう人は後を絶ちません。それだけ、長距離を走るということは人間の膝や足首に負担がかかる動作なのです。
ランナーの故障の多くが、着地による関節へのダメージが蓄積することによって起こります。
本来は人間の身体には回復機能が備わっていますので、休みさえすれば大事には至らないはずです。しかしランナーは、つい自分の身体が発する警告サインを見逃してしまいます。
「走る人と走らない日」を作る
そのため、まずランナーは「走る日と走らない日」を作りましょう。走る日に負ったダメージを、走らない日に回復させます。
もちろん、ただ休んでいるだけでは体力が低下してしまうでしょう。そのため、走らない日には筋トレを行って故障のリスクを減らしつつ、脚力を上げていきます。
筋トレで筋持久力と体幹を強化する
脚力といっても、重いものを一気に持ち上げるような瞬間的なパワーは必要ありません。市民ランナーに求められるのは、同じ動きをくり返し行う「筋持久力」です。
走りに直接関係する下半身を鍛えるのに有効な種目としては、スクワットやデッドリフトなどが挙げられます。
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最適な重量や回数などは、人によって異なります。長距離ランナーは、20回以上は持ち上げることのできる軽めの重量で、高回数のメニュー(例:20回3セット)が適しているでしょう。
筋力がさほどない人は、まず自重スクワットから始めてみてください。
なお、スクワットやデッドリフトといった種目は、下半身と同時に体幹を鍛える効果も期待できます。これも、市民ランナーにとって1つのメリットといえるでしょう。
走るトレーニングと筋トレを交互に行うとよい
ランニングフォームを維持するための筋持久力。長時間走る以外のやり方でこれを手に入れるには、ある程度の負荷をかけた筋トレが理にかなった方法です。
筋トレをとり入れるメリットは「飽きがこない」こと、そして「負荷が分散する」こと。
走るトレーニングと筋トレを交互に行うことで、同じ箇所へ負荷が蓄積することを防ぎます。結果として故障のリスクを低め、短時間で脚力を高めることができるのです。
筆者プロフィール
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani
<Text:角谷剛>


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