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アイソメトリクス(等尺性筋収縮)とは?筋トレを例に解説

 筋トレにはさまざまなやり方があります。なかでも初心者が覚えておきたいのは「アイソメトリクス(アイソメトリック)」、いわゆる等尺性筋収縮によるトレーニングです。アイソメトリクスとはなにか、効果とメリット、エクササイズ例を紹介します。

アイソメトリクス(等尺性筋収縮)とは

 アイソメトリクスは日本語で「等尺性筋収縮」と訳され、筋肉の長さが変わらずに力を発揮する筋肉の収縮形態のひとつです。

 たとえば壁を背中にして、椅子に座ったように股関節・膝関節を90度に曲げてキープする「ウォールシット(空気イス)」。お尻や太ももの筋肉はカラダを支えるために力を発揮していますが、筋肉の長さが変わらないため動きがありません。このような筋肉の収縮形態をアイソメトリクスといいます。

 その他にも、腕相撲で2人の力が均衡してまったく動かないときや、ラグビーのスクラムで押し合って動かない状態。あるいは大きな段ボールを抱えて持っている状態もアイソメトリクスが生じています。

アイソメトリクストレーニングのメリット

 アイソメトリクスのトレーニングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

初心者でもケガの心配がなく安全にできる

 アイソメトリクスのメリットのひとつが、ケガをしにくいことです。動作を伴わないので、関節や筋肉に無理な力が加わることはほとんどありません。初心者にとって、正しい動作が習得できていないエクササイズではケガのリスクが高まります。その点、アイソメトリクストレーニングでは初めてでも安全に行うことが可能です。

リハビリでも活用できる

 アイソメトリクストレーニングは、ケガ後のリハビリにも効果的です。特に、あまり患部に負荷をかけられないリハビリ初期に行われることが多いでしょう。アイソメトリクスがケガや手術で衰えた筋肉や神経をピンポイントで意識しやすい点も、リハビリで活用される理由です。

すぐに取り組むことが可能

 アイソメトリクストレーニングには、器具が必要ありません。また、短時間、そして狭い場所でも行える点は大きなメリットの一つです。「これからトレーニングするぞ!」と意気込まなくても、ほんの少しのスキマ時間、たとえばテレビCMの間だけトレーニングすることも可能です。

筋トレ初心者におすすめのアイソメトリクストレーニング

アイソメトリクスプッシュアップ

 腕立て伏せのカラダを下ろした状態でキープするエクササイズです。大胸筋を強化します。

1.腕立て伏せの姿勢になる。手は肩幅よりもこぶし2個ほど広げる。
2.肘を曲げ、胸が床につく位置まで体を下ろしていく。
3.カラダを一直線に保ち、10秒間キープ。

パームカール

 力こぶの筋肉である上腕二頭筋を鍛えるエクササイズです。

1.右手首に左手を当てる。
2.左手で下へ押す。互いに押し合うイメージで右肘の角度を保つ。
3.10秒間キープし、反対も同様に行う。

ウォールシット

 下半身全体を刺激するエクササイズです。大臀筋・大腿四頭筋を強化します。

1.壁に背中をつける。足は肩幅に開き、前へ出す。
2.太ももが床と平行になるところまで膝を曲げていく。膝の関節は90度。
3.20秒間キープ。

 ウォールシットは、足の位置を変えることで負荷をかける部分が変わります。遠めにして膝の角度が90度以上に開く状態でキープすると、よりお尻の筋肉が刺激されるでしょう。

 逆に足の位置が前に出すぎて、膝の角度が90度以下になってしまうと、太ももの前やすねの筋肉に多く刺激が入ります。

アイソメトリクストレーニングの注意点

 手軽で簡単にできるアイソメトリクスのトレーニングですが、いくつか注意点があります。

呼吸を止めない

 まずは、呼吸を止めないこと。力を全力で入れると、どうしても呼吸が止まりがちです。しかし力を入れたまま呼吸を止めてしまうと、血圧が上がる原因になります。そのため、必ず呼吸を止めないように行いましょう。

負荷は自分の意識次第

 アイソメトリクストレーニングは、自分の意識次第によって強度が変わります。思いきり力を入れ続ければ負荷は高く、手を抜けば負荷は低くなるでしょう。効果を高めるためには、全力で行う必要があるということを覚えておいてください。

筋肉を意識して全力で行う

 アイソメトリクスのトレーニングは、しっかり筋肉を意識して全力で行えばかなりハードなトレーニングになります。これから筋トレを始めようという人は、まずアイソメトリクスのトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
公式HP公式Facebook

<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>

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