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2020年2月6日

NIKE幹部が語る、新型厚底シューズ「アルファフライ ネクスト%」の実力とは?短距離・中距離スパイクも登場 (2/2)

TPU製プレート採用の「ナイキ エアズーム テンポ ネクスト%」

 デイリートレーニングに活用するモデルとして開発された長距離用シューズが「ナイキ エアズーム テンポ ネクスト%(NIKE AIRZOOM TEMPO NEXT%)」。「ナイキ エアズーム アルファフライ」同様、前足部に「ナイキ ズームエア」を搭載しています。日々のトレーニングで使用するにはカーボンファイバープレートだと硬度が高過ぎるという観点から、採用されているプレートはTPU製。ミッドソールには「ズーム X フォーム」に加えて、クッション性と軽量性に優れた「ナイキ リアクト フォーム」を踵部分に採用。ソフトな接地感を実現しています。アッパーに採用されているのは「アダムニット」。「ナイキ エアズーム アルファフライ」のアッパーよりもサポート性を重視し、厚みがあるそうです。またアウトソールに使われているゴムの面積が「ナイキ エアズーム アルファフライ」よりも広く、厚みもあるため、シューズ自体が長持ちするはずです。

履きやすくて脱ぎやすい「ナイキ エアズーム テンポ ネクスト% フライイーズ」

 「ナイキ エアズーム テンポ ネクスト%」と同じソールユニットで、アッパーに「ナイキ フライイーズ」を採用したのが、「ナイキ エアズーム テンポ ネクスト% フライイーズ(NIKE AIRZOOM TEMPO NEXT% FLYEASE)」です。

 「ナイキ フライイーズ」とは、フィット感や性能を妥協することなく、着脱のしやすさと固定感を追求したフットウェア用のシステム。ユニバーサルデザインを目指したもので、アッパー上部の紐を引くとアッパー全体が締まり、下部の紐を引くと緩む構造になっています。また「テールゲートシステム」と呼ばれる仕組みの採用で、シューズ内に足を滑り込ませやすくなっているのも特徴です。

100m用スパイク「ナイキ エアズーム ヴェイパーフライ」

 直線を走る100m用のスパイクとして開発されたのが「ナイキ エアズーム ヴェイパーフライ(Nike Air Zoom Viperfly)」です。男子100mの世界歴代6位にあたる9秒76という記録を持つ、クリスチャン・コールマン選手(アメリカ)と協力しながら作られたモデルで、「ナイキ エアズーム アルファフライ」と同じく「ナイキ ズームエア」とカーボンファイバープレートが搭載されています。スプリンターの短い接地時間でも、「ナイキ ズームエア」からのエネルギーリターンが得られるように、もともとは14mmだったエアバックの厚さを、最終的には9mmにしたとのこと。アッパーは「アダムニット」製。スプリンターのパワフルな走りにしっかりと対応できるように、特に踵周辺はホールド力を高めた設計になっています。近未来感たっぷりのルックスは、トラックにとても映えそうです。

中距離用スパイクの「ナイキ エアズーム ヴィクトリー」

 最後の紹介となるのが中距離用スパイクの「ナイキ エアズーム ヴィクトリー(Nike Air Zoom Victory)」。1500〜10000mのトラック種目での着用を想定して作られています。こちらにも「ナイキ エアズーム アルファフライ」と同様、「ナイキ ズームエア」、「ズーム X フォーム」、カーボンファイバープレートが搭載されています。細部は違えど、短距離、中距離、長距離用のシューズが同じシステムを採用している点は、かなり革新的。インパクトがあります。中距離ではトラックを周回するため、カーブへの対応力も求められます。「ナイキ エアズーム ヴィクトリー」に搭載されているエアバッグは、中央付近に屈曲溝が儲けられているのが特徴で、その溝の効果でカーブでも推進力を失わず安定性を確保できるのだそうです。「ナイキ ズームエア」を搭載しながら片足が131gと、「ヴィクトリー」シリーズの特徴である軽さも失われていません。

 今夏に迫った東京オリンピックに向け、厚底長距離用シューズの新バージョンだけでなく、そこで培ってきたテクノロジーを活かした短距離用、中距離用の新シューズを発表したNIKE。トラック種目でも、マラソン同様の旋風を巻き起こすかもしれません。

 なお現時点では、各シューズの発売日や価格などについての詳細は明らかになっていません。また日本国内向けの情報についても現時点で発表なし。続報が出次第、随時お伝えしていきます。

※前足部に搭載された「Nike Zoom Air Pods」について、初出時「ナイキ ズームエア ポッズ」と記載していましたが、日本語版リリースの記述に合わせて「ナイキ ズームエア ポッド」に統一しました。

<Text:神津文人/Photo:NIKE>

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